研究課題/領域番号 |
20K04095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
杉本 志織 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 研究員 (90632076)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 夏季天候 / 東アジア / 領域大気モデル / チベット高原 / 大気領域モデル / 高解像数値実験 / 積雲対流 / 夏季気象災害 |
研究開始時の研究の概要 |
「日本から遠く離れたチベット高原上で発達する積雲は、どのように・どの程度、日本の豪雨や猛暑と関連しているのだろうか?」 この問いに答えるべく、高分解能の大気数値シミュレーションを用い、チベット高原上の積雲対流が日本の夏季天候に及ぼす遠隔作用について明らかにする。そして、日本の夏季気象災害の予測向上とって高原上の雲・降水過程に対する正しい理解が重要であることを提示する。
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研究成果の概要 |
領域大気モデルを用いて25年分の暖候期を対象としたアジア域20km解像実験を実施し、梅雨期の6月における降水量バイアスを解析した。西部北太平洋上の高気圧性循環に起因する移流バイアスとチベット高原付近を起点として中緯度を伝播する高度場バイアスが、梅雨前線上降水量の再現精度を左右した。全国的に猛暑であった2010年について、20km実験の内側にチベット高原上4㎞解像領域を設定した20km-4km実験を実施した。20㎞実験と比較し、20km-4km実験では高原上の対流活動が活発であった。対流圏上下層での高気圧の発達がより適切に再現され、日本を含む東アジア域の低温バイアスを20-50%改善した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
数値シミュレーションにて夏季降水の再現精度を向上させるためには、水蒸気輸送量を左右する太平洋高気圧の発達と中緯度上下層で連動する循環場を適切に再現する必要があることが分かった。また、猛暑形成に着目した場合、チベット高原の雲活動を起点とした中緯度循環場の遠隔作用が日本の気温再現に重要な役割を果たすことが示唆された。これらの学術的成果は、太平洋上だけでなくチベット高原上での対流活動を適切に再現することで、日本の夏季天候予測の再現性が向上する可能性を示す。また、一部の数値実験データを国際プロジェクトに提供し学術的に貢献した。
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