研究課題/領域番号 |
20K04096
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉澤 和範 北海道大学, 理学研究院, 教授 (70344463)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 上部マントル / 不連続面 / 表面波 / レシーバ関数 / トモグラフィー / ベイズ推定 / リソスフェア / アセノスフェア / 地球内部構造 |
研究開始時の研究の概要 |
最近の地震波解析により,安定大陸下の上部マントル内に複数の不連続面や異方性の層状分布の存在が報告されている.しかし,それらの詳細な空間分布や成因,大陸プレートの進化・水平移動との関係等は,まだ十分に解明されていない.本研究では,異なる感度を有する表面波や実体波の種々の観測情報を用い,最新のベイズ推定による非線形逆解析法に適用し,上部マントル速度構造を確率密度分布として推定する.これにより,大陸マントル内の主要な不連続面の高精度な空間分布を復元し,地震波速度の不均質性・異方性との関係や,大陸プレートの成長・進化やマントルダイナミクスとの関連性を明らかにする.
|
研究成果の概要 |
上部マントル内部の3次元S波速度分布復元に有効なマルチモード表面波の位相速度情報や,不連続面を精度良く検出できる実体波レシーバ関数を活用し,ベイズ推定に基づく非線形同時インバージョン法を用いて,観測点下の異方的S波速度構造と不連続面を推定する手法の開発・応用を行った.本手法を,大量かつ高精度な観測データが得られる豪州大陸の多数の観測点に適用し,モホ面やリソスフェア-アセノスフェア境界など,主要な不連続面の空間分布推定への有効性を示した.また,北米やユーラシア東部など,世界の大陸域の大量の観測記録を用いた表面波トモグラフィー解析も行い,各地域の詳細な3次元S波速度モデル構築も行った.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プレートの成長・進化や水平移動のメカニズムを理解する上で,上部マントル内部の境界層と地震波速度の異方的性質は重要な鍵となる.しかし,モホ面やマントル遷移層等の顕著な不連続面に比べ,リソスフェアやアセノスフェアの深さに見られる不連続面での速度変化は比較的小さい場合が多く,その検出は容易ではない.本研究では,異なる感度を有する実体波や表面波の各種観測情報を用いて,上部マントル内の異方的S波速度構造の復元と不連続面の推定に向けた手法を開発し,試験的応用を試みた.一連の成果は,プレート内部やプレート底面およびアセノスフェアに見られる不連続面の一層の理解の礎になるものと期待される.
|