研究課題/領域番号 |
20K04098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平野 直人 東北大学, 東北アジア研究センター, 准教授 (00451831)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 付加体 / アルカリ玄武岩 / カーボナタイト / 太平洋プレート / アセノスフェア / リソスフェア / 玄武岩 / プチスポット / チャート / 二酸化炭素 / 緑色岩 / フランシスカン / 海洋プレート |
研究開始時の研究の概要 |
三陸沖の太平洋深海底で2006年に発見されたプチスポット火山は、日本海溝に沈み込む太平洋プレートの屈曲に起因する割れ目に沿って上昇し形成された地球上の新種の火山である。この火山は各地の沈み込む海洋プレート上で続々と報告されつつあるため、世界の深海底の普遍現象であるとの認識が広まりつつある。
本研究では更に、カリフォルニア、愛知県などの付加体中に取り込まれたある特異な貫入形態のアルカリ玄武岩を調査し、その形態や活動年代、および化学組成により、過去のプチスポ ット火成活動を同定し、沈み込んだ海洋プレートの真の姿を明らかにする。
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研究成果の概要 |
沈み込む太平洋プレートを構成する岩石を実際に提示し、これまでの認識とは異なる岩石や海底地質があることを提唱し、プチスポット玄武岩の微量元素の特徴からカーボナタイトに関与する特有の組成を見いだした(Hirano & Machida, 2022, Comm. Earth Environ. 3, 110)。本論文は、Top 10% Cited論文(*incomplete year)となった。これに基づくと、カリフォルニアのフランシスカン帯および日本の中生代前期付加体中の赤色チャートに脆性破壊させて貫入するアルカリ玄武岩の一部は、プチスポット火山活動に伴う玄武岩である可能性が高い。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
沈み込む太平洋プレートの物性や化学組成をいままでの概念とは異なる新たな物質として捉える必要が出てきたことを意味する重要な成果である。これにより、沈み込むプレートが引き起こす火成活動やプレート境界型巨大地震などについて、沈み込むプレート側からの見地の幅が広がった。沈み込むプレートを構成する岩石の物性や化学組成を加味する上で基盤となるデータである。また、付加体中のアルカリ玄武岩の再定義では、日本の地帯構造の基礎とも言える付加体の形成過程を一部組み立て直す必要がある。
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