研究課題/領域番号 |
20K04102
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
渡邊 了 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (30262497)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 地殻 / 流体 / 地震波速度 / 電気伝導度 / 亀裂 / クラック / アスペリティ / 破壊 / 岩石 / 空隙 / 圧力 |
研究開始時の研究の概要 |
上部・中部地殻において,流体は岩石内の空隙を満たしているはずである。本研究では,この空隙を高圧での「クラックの閉じ残り部分」と考える。クラックのFIB-SEM観察により常圧での3次元形状を得たのち,有限要素法により高圧での「閉じ残り部分」の形状を明らかにする。さらに,圧力下で低周波領域(0.01-100 Hz)での弾性定数測定,超音波領域(MHz)での弾性波速度測定(縦波,横波),電気伝導度測定を行う。物性の圧力依存性とクラックの閉鎖を関係づけて,地殻の岩石に適用可能な弾性・非弾性,電気伝導度の物理モデルを構築する。
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研究成果の概要 |
上部・中部地殻に存在する流体の形状を理解することを目的として,圧力下での亀裂閉鎖に関する高圧実験と数値実験を行った。亀裂内では多数の小さなアスペリティ接触が離散的に生じており,流体はアスペリティ接触によって支えられた空隙に存在する。圧力下でアスペリティの接触部分は弾性変形だけではなく,破壊を伴って変形することが分かった。破壊が関与しているため数値実験による推定は困難であり,加圧した亀裂表面の系統的な解析が必要であると考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上部・中部地殻には様々なスケールの亀裂が存在する。流体は亀裂の「閉じ残り」部分に存在するため,亀裂がどのように閉鎖し,どのような閉じ残りが存在するかは,地殻の流体量を推定する上で不可欠な情報である。2020年以降活発な活動を続けている能登半島北部の地震は,地殻内の流体が関係していると考えられている。「閉じ残り」についての理解は,流体量の定量的評価および,流体の地震への関与の理解につながるものである。
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