研究課題/領域番号 |
20K04109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中久喜 伴益 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (10263667)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | マントル対流 / 水圏・固体地球相互作用 / 水輸送 / 沈み込み帯 / 含水率 / 下部マントル / マントル遷移層 / 混合 / 沈み込むスラブ / 数値シミュレーション / 沈み込み / 地球深部 / 地球内部の水循環 / 地球の熱史 |
研究開始時の研究の概要 |
地球上には海が長期にわたって安定して存在してきた。このため,プレート沈み込みを介して水が海と地球内部との間で循環していると考えられる。一方,マントル深部の鉱物は多くの水を取り込む性質を備えていることが高圧物性実験から分かってきた。それにもかかわらず,実際のマントル内部はまだあまり多くの水を持っていない可能性が高い。どのような機構で現在のマントル内部の含水量が決定されるのかという問題を解決するため,プレートの沈み込みが再現できる全地球規模のマントル対流モデルを用いて,水が沈み込んだプレートからマントル全体へ混合していく過程を数値実験する。
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研究成果の概要 |
地球史の長時間にわたる地球内部と海洋の間での水循環を理解することは,地球惑星科学における最重要課題の1つである。本研究では,地球内部への水輸送量および脱水量,水の混合が正しく評価できる数値モデルの構築を行った。2次元円筒モデルを用いて含水率分布を計算した結果,現在の地球の含水率の深さ分布や海水量の変動は,下部マントルの最大含水率が上部マントルスラブの含水率より小さく,かつ,水輸送量が小さいモデルのほうが調和的であることが分かった。また,プレート沈み込みによる水輸送量をより正確に推定するため,沈み込み速度が安定して計算できる2次元矩形モデルを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球表面の環境が安定し,生物が繁栄することができたのは,海が常に存在してきたからである。実際海水量の変動は太古より現在まで大変小さい。地球のマントルを構成する岩石は大量の水を保持することができることが分かってきたが,一方でマントルはまだ満水状態とは程遠いことが知られている。なぜ,海水はマントルに吸収されてしまわないのだろうか?この問いに答えるため,水圏とマントルの間の水循環を計算できるモデルの構築を試みた。その結果,マントル対流による水の混合が重要なことや沈み込み帯から吸収される水がこれまでの予想よりも小さい方が整合的であることが分かった。
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