研究課題/領域番号 |
20K04115
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
佐久間 博 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (20400426)
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研究分担者 |
片山 郁夫 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (10448235)
河合 研志 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20432007)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 速度・状態依存摩擦則 / 直接効果 / 熱活性化過程 / 粘土鉱物 / 摩擦 / 分子動力学計算 / 断層 / 地すべり / 温度効果 |
研究開始時の研究の概要 |
地球表層の断層が大地震を起こすかどうかは、すべり速度に応じた摩擦強度の増減による安定・不安定から議論されることが多い。しかし、すべり速度に応じた摩擦強度変化の物理的なメカニズムが未解明であり、断層試料の摩擦試験無しでは、断層の挙動を推定することができない。つまり、断層試料が入手困難な場合には、信頼できる摩擦則の構築ができない。 実験結果を説明する経験的な摩擦則のパラメータの一つに、すべり速度変化に応答した摩擦力の変化を表す“a”がある。そこで本研究では“a”の物理的な背景を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
地球表層では、大地震を起こす断層・定常的にすべるクリープ断層・スロー地震を起こす断層など様々なタイプの断層が知られている。これらの違いを説明するために必要な断層物質の性質として、すべり速度の変化に応答した摩擦力の変化値(a値と呼ばれる)がある。しかしこのa値が物質の何の性質によって決まるのか未解明である。本研究では他の物質とは異なるa値を取る白雲母について摩擦試験や理論計算を行い、a値を決める物質の性質を明らかにすることを目的とした。結果として、白雲母の摩擦面にはせん断方向と垂直に線状構造が発達することがわかり、層間すべりや線状欠陥構造がa値を決める重要な性質であることがわかってきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質の摩擦物性は経験的な速度・状態依存則に従うことが知られているが、そのような経験則から摩擦挙動を予測することが難しい。この経験則の背景にある物理を解明することができれば、予測性のある摩擦則の構築につながる。社会的には地震や地滑りの性質を理解することにつながり、将来的な防災への基礎となる。
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