研究課題/領域番号 |
20K04116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
宮崎 一博 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 招聘研究員 (30358121)
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研究分担者 |
池田 剛 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40243852)
遠藤 俊祐 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 准教授 (60738326)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 変成反応 / 成長動力学 / ガーネット / ジルコン / 沈み込み帯 / 火山弧 / 界面律速 / 拡散律速 / 反応動力学 / 界面エネルギー / 弾性相互作用 / 粒径分布 / 三波川 / 泥質片岩 / 脱水反応 / 動力学 |
研究開始時の研究の概要 |
地殻内における変成反応進行時の動力学推定が本研究の目的である.岩石内の有効拡散係数を考慮すると,界面律速型動力学は流体が豊富な状態に対応し,拡散律速型動力学は流体量が限られる状態に対応する.従って,岩石中の流体量変動に連動して,異なる動力学が繰返す反応進行が想定される.本研究では,変成鉱物が卓越する動力学を記録することを利用する.地殻内の脱水反応で生じる典型的鉱物であるガーネットを用いて,拡散律速型で連続的にゆっくり進行する変成反応動力学が卓越するのか,あるいは界面律速型で間欠的に急速に進行する変成反応動力学が卓越するのかを明らかにする.
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研究成果の概要 |
ガーネットとジルコンを用いて,変成反応の動力学を推定した.ガーネットは温度圧力推定に有利であり,ジルコンは年代測定が行える.沈み込み帯で形成されるガーネットとジルコンは,いずれも界面律速型の動力学に支配されている.ガーネットに関しては,粒径が大きくなるほど大きくなる成長則が認められた.一方,火山弧深部で形成されるガーネットとジルコンに関しては,いずれも部分溶融が起こる変成度以上で形成されたもので,拡散律速型の成長則を示した.ジルコンに関しては,動力学か決定できたことにより,成長時間を制約することができた.これにより,ジルコンのパルス的成長を検出することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
反応動力学は,反応が時間と共にどのように進行するかを予測する.変成鉱物を用いた反応動力学識別に関する研究は,世界的にみても殆ど行われていないのが現状である.本研究では,沈み込み帯での地震の原因となり岩石の強度低下を引き起こす脱水反応の動力学,火山弧深部でマグマの発生を引き起こす岩石の部分溶融反応の動力学を,そのような場で形成され,現在地表に露出する岩石から推定する方法を提案した.
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