研究課題/領域番号 |
20K04118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 神奈川県温泉地学研究所 |
研究代表者 |
本多 亮 神奈川県温泉地学研究所, 研究課, 主任研究員 (80416081)
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研究分担者 |
酒井 慎一 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (00251455)
長 郁夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (10328560)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 深部低周波地震 / 震源決定 / バックプロジェクション / 箱根火山 / 稠密地震観測 / マルチアレイ / マルチアレイ観測 |
研究開始時の研究の概要 |
近年火山の深部で発生する、深部低周波地震(Deep Low Frequency Event :DLFE)が注目され、箱根でも山体膨張や群発地震活動と相関があることが明らかになってきた。DLFEは波形が低周波成分に富むことから、マグマや熱水などとの関連が示唆される一方、その発生メカニズムや具体的なマグマとの関わりについては、不明な点が多い。その原因の一つとして、震源の決定精度が低いことがあげられる。 そこで本研究ではDLFEと水蒸気噴火の関わりを明らかにすることを目的として、1)高精度のDLFEの震源決定と、2)得られた震源分布に基づいたDLFEの発生メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度までの観測で、箱根仙石原の観測アレイでは直下の深部低周波地震からの信号がほとんど検知できないことが分かった。周辺の定常観測点のデータも加味して考えると、一定の範囲において同様の傾向がみられることから、震源メカニズムによる影響というよりも仙石原付近の地下構造(減衰構造)の影響が大きいものと考えられる。 今年度は、仙石原にあった観測点を丹沢と箱根の南東斜面に移設して別途アレイ観測を行っている。昨年8月までのデータを見る限り、気象庁で認定された深部低周波地震の波形は観測できており、今後解析に使用できると考えられる。これは、箱根火山地下でのマグマの分布などを考えるうえで重要な知見となりうる。 本研究で高精度の震源決定を行うにあたり、浅部構造については微動探査による調査を実施しているが、深部構造(深さおよそ1キロより深い部分)についてはこれまで温泉地学研究所のルーティンで使用している1次元速度構造を用いてきた。しかし、丹沢と箱根付近では20km程度の距離が離れており、プレートの衝突により付加した物質が隆起した部分と火山地帯という地質学的な構造の違いがある。そこで、今年度は防災科学技術研究所の深部地盤構造(J-SHIS)と、地震調査研究推進本部から公表されている全国一次地下構造モデル(暫定版)を用いて、観測点ごとに固有の1次元速度構造モデルを構築した。これをバックプロジェクションに用いることで、より精度の高い震源決定が可能となることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
山中にある機動観測点について、想定よりもかなり獣害が多く、また林道整備などと重なっているためデータが不十分。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度新たに構築したアレイにより、震源域を囲む領域で複数アレイによる観測ができるようになった。今年度は、巨大地震の断層破壊過程の推定で用いた複数アレイ(アレイオブアレイ)による波群源の推定方法を適用し、震源決定を行っていく。
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