研究課題/領域番号 |
20K04119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 北九州市立自然史・歴史博物館 |
研究代表者 |
森 康 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (20359475)
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研究分担者 |
重野 未来 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 受託研究員 (90749558)
桑谷 立 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), グループリーダー (60646785)
西山 忠男 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 特任教授 (10156127)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 蛇紋岩メランジュ / 交代作用 / 沈み込み帯 / 機械学習 / 流体岩石相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
沈み込み帯のプレート境界における岩石の混合、反応、変形、流体との相互作用の影響を明らかにすることが本研究の目的である。具体的には低温高圧変成帯の蛇紋岩メランジュの形成過程を全岩化学組成データセットの機械学習により解析する。反応組織や変形構造との比較から本質的な過程を抽出し、蛇紋岩メランジュ形成モデルを提案する。これにより蛇紋岩メランジュ形成による間隙水圧の上昇や剪断変形の促進を明らかにできると期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、沈み込み帯のプレート境界における岩石の混合、反応、変形、流体との相互作用の影響を明らかにすることを目的とし、低温高圧変成帯の蛇紋岩メランジュの形成過程を全岩化学組成データセットの機械学習により解析する。反応組織や変形構造との比較から本質的な過程を抽出し、蛇紋岩メランジュの形成モデルを提案する。 令和5年度は、神居古潭変成岩類(北海道)において野外調査を行い、蛇紋岩メランジュの基質中に滑石に富む剪断集中帯を数カ所で見出した。ある剪断集中帯では、塊状蛇紋岩→スケーリーファブリックを持つ蛇紋岩→滑石岩→滑石片岩という岩相と変形の発達段階を記載した。スケーリーファブリックのすべり面は微細な滑石脈で特徴づけられることから、蛇紋岩の剪断変形に伴う交代作用が滑石脈を形成し、滑石脈がすべりを担うことで剪断変形の集中が生じたと考えられる。 採集試料の薄片顕微鏡観察では、蛇紋岩の滑石化(交代作用)が上記の岩相と変形の発達と並行して生じていることが明らかになった。すなわち、初期段階では微細な滑石の剪断脈が形成され、それらが厚みのある剪断集中帯に発達し、最終的には全体が滑石すると考えられる。蛇紋岩の滑石化は固相体積減少と脱水(=流体体積増加)を伴うと予想され、このことも機械的に弱い滑石の形成とともに剪断変形の集中に寄与したと考えられる。 以上の結果を日本地質学会にて発表した。また、全岩化学組成にもとづく固相体積減少と脱水の検証の準備と、論文原稿を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度から2年間は新型コロナウイルス感染症の影響により県外出張が制限されたため、野外における地質調査と資料採集ができず、予備調査での採集試料のみで研究を行ってきた。これにより計画全体に大幅な遅れが生じた。3年目になって制限が緩和されて野外調査を実施できたものの、全岩化学組成分析など時間を要する作業が多く、研究代表者自身の新型コロナウイルス感染および後遺症治療や全岩化学組成分析の故障が重なり、遅れを取り戻すには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年間延長して目標の達成に務める。故障した全岩化学組成分析装置は復旧の目処が立っていないため、分析を外部委託して早期に結果を得る。分析試料数に大きな制約を受けることになるが、論旨や展開を再構築して早期の論文投稿を行う。
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