研究課題/領域番号 |
20K04120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
日置 幸介 北海道大学, 理学研究院, 名誉教授 (30280564)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 福徳岡の場 / フンガトンガ / プリニー式噴火 / QZSS / TEC / 大気モード / ラム波 / 電離圏擾乱 / マルチGNSS / TEC / スポラディックE / レバノン爆発 / 内部重力波 / 津波地震 / 準天頂衛星システム / 電離圏全電子数 / 地震マグニチュード / 火山噴火 / 地震前兆 |
研究開始時の研究の概要 |
「みちびき」として知られる日本の準天頂衛星システム(QZSS)は、GPS等の従来のGNSSと異なり連続した電離圏全電子数データを取得できる画期的なGNSS衛星である。1号機の2010年度の打ち上げに続き、2017年度に2-4号機が打ち上げられて本来の構想が実現された。また国土地理院のGNSS連続観測網に専用受信機が整備され、QZSS衛星4機の受信データをダウンロードして利用できる状態となった。本研究はQZSSを電離圏変動の研究に利用すべくソフトウェアを開発し、火山噴火、地震、移動性擾乱などの様々な原因による電離圏擾乱を連続データ解析によって明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の主な目的は、従来の見かけ位置が移動するGPS等のGNSS(全球航法衛星システム)に代わる、見かけ位置が静止または一定時間静止する静止軌道や準天頂軌道に打ち上げられたGNSS衛星を観測することによって、従来難しかった電離圏擾乱の時間変化と空間変化の分離を実現しようとするものである。その効能が多く発揮される事例が、火山噴火にともなう電離圏擾乱である。本研究では、2021年8月に発生した福徳岡の場の噴火で生じた大気自由振動(大気モード)、および2022年1月に発生したトンガ海底火山の噴火で生じた大気ラム波とそれに伴う電離圏擾乱を、QZSSやBDSを用いて電離圏全電子数(TEC)の変動としてとらえた。その結果前者については、初めて大気モードを高調波を含めて4つの異なる周波成分を捉え論文発表した。また後者についてはラム波の通過に伴ってて日本列島で生じた顕著な電離圏擾乱を捉え、地表の大気圧観測と比較することによって、電離圏擾乱が地表のラム波より早く到達したことを初めて見出した。これらはすでに2022年に論文発表されており、両者ともに多く引用され始めている。さらに福徳岡の場の論文は、雑誌(Earth Planets and Space)から昨年のハイライト論文の一つとして取り上げられた。なお、トンガの噴火に関しては、福徳岡の場の噴火と同様に大気モードの励起が観測されているが、広域・長時間におよぶためまだ解析が続いている。トンガの噴火については、固体地球の自由振動の励起が地震計から確認されているが、地面振動が二次的に励起した大気モードが初めて観測されたのではと考えている。これは2023年度前半に論文としてまとめ、投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
QZSS等の動きが小さい衛星の威力が発揮される事例(この場合は2021年8月の福徳岡の場の噴火、および2022年1月のトンガ海底火山の噴火)が複数回発生したことが、当初の計画以上に進展した理由である。火山噴火による大気モードの観測では、衛星の移動が小さいことが観測されたTEC振動の周波数から既知の大気モード周波数を同定する際に有利となる。またトンガの噴火に伴うラム波の日本列島通過に際しても、QZSSが天頂に位置していたおかげで、厳密は電離圏擾乱と地表大気圧変化のタイミングの比較が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
トンガの火山噴火については、それに伴う大気モードの解析が現在一部論文投稿中、また別の一部が論文執筆中である。これは2023年度中に論文出版を終える予定である。
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