研究課題/領域番号 |
20K04130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山下 茂 岡山大学, 惑星物質研究所, 准教授 (30260665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 岩石・鉱物・鉱床学 / マグマ / 水 / 高温高圧実験 / 噴火 |
研究開始時の研究の概要 |
マグマに水はどのくらい溶け込めるのだろうか?火山噴火の様式は、マグマに溶解する水の量によって大きく変化する。この研究では、これまでほとんどわかっていなかった安山岩マグマへの水の溶解度を実験的に明らかにして、マグマへの水の溶解度を予測する精度を向上させる。これにより、特に日本のような火山弧で普遍的に噴出している安山岩マグマへの水の溶解度をより正確に推定できるようになり、噴火現象の推移の予測や噴火災害の減災に役立つことが期待される。
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研究成果の概要 |
マグマにどのくらいの水が溶け込めるのか(溶解度)についての実験データが玄武岩や流紋岩といった極端な組成のマグマに偏っており、中間的な組成である安山岩マグマの実験データがほとんどないことに問題意識を持ち、そのデータギャップを埋めるべくこの研究を始めた。新たに行った実験により、既存のポピュラーな溶解度モデルは、安山岩マグマへの水の溶解度を2割程度過小に見積もってしまうこと、安山岩マグマへの水の溶解度は同じ圧力温度条件の流紋岩マグマに対して2割程度大きいことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦の大規模な噴火を見ると、例えば桜島大正噴火のクライマックス、プリニー式噴火で大量に放出されたマグマは安山岩組成であった。2013年に始まり現在も続く西之島噴火で放出されているマグマも安山岩組成である。このように、本邦のようなプレート沈み込み帯の火山弧では安山岩マグマが大量に噴火している。こうした安山岩マグマ噴火のメカニズムを理解するのに必要な安山岩マグマへの水の溶解度データを、この研究は新たに提供することができた。この成果は、安山岩マグマ噴火が事象としてどのように時間発展するかの予測や噴火災害の減災に役立つものであり、特に本邦のような沈み込み帯の火山弧における社会的意義は大きい。
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