研究課題/領域番号 |
20K04149
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
生形 貴男 京都大学, 理学研究科, 教授 (00293598)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 頭足類 / アンモノイド / 機能-形態空間解析 / アロメトリー / 理論形態モデル / 個体発生軌道 / 機能形態 / 個体発生変異 / 逆解析 / 機能形態空間 / 外殻性頭足類 / 静水力学特性 / 流体力学特性 / 進化形態学 |
研究開始時の研究の概要 |
アンモナイトなどの頭足類は広義の遊泳性と考えられるが、成長に伴う殻形状の変化様式は種によって多様である。その進化的意義を理解するために、本研究では、静水力学特性と流体力学特性に注目し、これら機能特性に最適な殻形状の変化様式がどのようなものかを数理モデルを用いて評価する。また、実試料の測定から、多数の種について上記機能特性を評価し、モデルを使った機能形態解析の結果と比較することで、遊泳性の生活型による機能的制約が頭足類の殻形状と成長様式の多様性をどのように制約しているのかを明らかにする。この目的を達成するために、頭足類の殻形状に見られる多様な成長様式を統一的に表現できる数理モデルを開発する。
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研究成果の概要 |
アンモナイトなどの頭足類の成長に伴う殻形状の変化パターンの進化的意義を理解するために,そうした変化パターン毎に静水・流体力学特性を評価した.殻形状の変化を表せる数理モデルを用いた解析から,殻表面にかかる摩擦が遊泳時の抵抗を支配する小さな段階では静水力学特性と流体力学特性は両立するが,サイズが大きくなって物体の形状による圧力抵抗が支配的になると,巻きの緩さと殻断面形状のいずれに関しても両者を高いレベルで両立させるような形状変化を実現できないこがわかった.120種のアンモナイトの計測から,ある程度成長して以降に両方の機能特性がバランスするような成長の仕方をする種が比較的多いことが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進化生物学では,成長に伴う形状の変化パターンを変えることなく発生が進んだり遅れたりすることで起こる形態進化が古くから注目されており,異時性と呼ばれている.成功に伴う形状変化の機能的意義を考究した本研究結果は,異時性の解析と親和性があるので,将来的には異時性の進化的意義の理解を深める研究に発展すると期待される.また,本研究では成長に伴う平面巻殻の形状変化を表す数理モデルを開発したが,このモデルは立体巻にバージョンアップすることによって巻貝や二枚貝などに拡大適用が可能となるので,軟体動物の進化形態学に貢献すると期待される.
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