研究課題/領域番号 |
20K04150
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
楠橋 直 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 准教授 (70567479)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 哺乳類 / 中生代 / 真獣類 / 多丘歯類 / 真三錐歯類 / 哺乳類化石 / 白亜紀 / 東アジア / 層位・古生物学 / 古脊椎動物学 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
アジアにおいては前期白亜紀の後期に哺乳類相の構成が急速に変化し始めたことが徐々にわかってきている。本研究課題は,当時の哺乳類化石が多く見つかる中国遼寧省の沙海層・阜新層の哺乳類化石と日本から見つかっている同時代の哺乳類化石とを中心に発掘・研究することを通して,アジアにおいてどのように哺乳類相が移り変わったのかを高い解像度で明らかにすることを目的とする。また,それを通して,この時代にそのような哺乳類相の変化を引き起こした要因を議論するための手掛かりを得ることに繋げたい。
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研究実績の概要 |
新型コロナウィルス流行以降中国の査証申請が難しくなり、二週間の査証免除の停止も継続されているため、本年度も中国渡航は断念せざるを得なかった。そのため、本研究課題の主眼である中国の下部白亜系産標本の観察はおこなえなかった。そこで、まずは日本の白亜系産哺乳類化石の分類学的研究を進めることとし、標本のクリーニングと観察、マイクロCTスキャン、および北米の複数の研究機関を訪問して比較標本の観察や共同研究者との議論をおこなった。訪問先は University of Louisville、Yale Peabody Museum、Idaho Museum of Natural History、University of Albertaである。観察は上部白亜系産多丘歯類を中心に、主に中生代哺乳類化石コレクションを対象とした。 依然として中国での標本観察ができていないため、中国の標本については本研究課題の採択以来ほとんど進められていない状態である。しかしながら、特に、新型コロナウィルス流行以来困難であった海外渡航ができるようになったことにより、日本の標本に関する研究は大きく進めることができた。下部白亜系産標本については、記載論文の準備に取り掛かれる段階になったと考えている。また、上部白亜系産標本については、近く国内の学会で発表予定である。これらの成果は、中国標本の研究と総合することで、本研究課題の主題であるアジアにおける白亜紀哺乳類相の解明に重要な情報を追加することができると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中国渡航ができておらず中国の下部白亜系産標本の観察が進められなかったことが遅れている最大の要因である。新型コロナウィルス流行により海外渡航ができなかっただけでなく、その時期に停止された二週間の査証免除が現在も再開されないこと、査証申請システムが変更され申請者が管轄申請機関まで出向かなければならない (申請者の場合は大阪) ことが大きく影響している。 一方で、日本産の標本に関する研究は、北米渡航ができたことで大きく進めることができた。そのため、依然として研究全体の進捗は遅れてはいるものの、前年度までと比べると、遅れはやや小さくできていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は日本の白亜系標本に関する論文の早期投稿を目指すと同時に、中国へ渡航し中国産標本の観察を再開する予定である。査証申請が現状のまま変わらず取得に時間がかかることを想定して、すでに中国側との打ち合わせは実施している。調査地の状況が依然不明であること、円安による予算不足の可能性があることから、おそらく発掘調査は実施困難だと考えているが、その分の時間と予算を標本観察にまわすことで、これまでの遅れを少しは取り戻したい。
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