研究課題/領域番号 |
20K04161
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高桑 脩 九州大学, 工学研究院, 准教授 (60633518)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 水素脆化 / 疲労き裂進展 / 水素ガス環境 / 熱活性過程 |
研究開始時の研究の概要 |
国策でもある水素社会の実現のためには“水素の影響がない材料”だけでなく“水素の影響がある材料”(例えば炭素鋼などの安価な鉄鋼材料)の水素脆化の本質を見極めて設計指針を構築し、積極的に使用することが求められる。変幻自在な水素脆化を考える際に重要となるのは、き裂周りの「転位と水素の相互作用」であり、この相互作用がき裂の「力学状態」と「水素環境」に大きく依存すると考えられる。本研究では転位-水素間相互作用を“熱活性過程(時間と温度 に依存する現象)”として捉え、鉄鋼材料の水素助長疲労き裂進展の素過程を包括的に明らかにし、破壊モデルを確立して、水素環境における鉄鋼材料の適用指針構築への橋渡しを目指す。
|
研究成果の概要 |
水素は金属材料に侵入しその特性(強度や延性など)を悪化させる”水素脆化”を引き起こす。繰り返し荷重下においても、水素環境下ではき裂の進展速度が大幅に上昇することが報告されている。一方で、そのメカニズムは依然として不明であり、安全安心な水素社会を構築するためにはその解明が必要不可欠である。本研究では、き裂進展時にき裂先端から射出される転位と水素原子の相互作用に着目して、き裂進展加速における繰り返し負荷周波数依存性、水素温度依存性を統一的に理解できる疲労き裂進展加速モデルを確立した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国の国策でもある水素インフラや燃料電池自動車の普及拡大のためには “水素の影響を受けない材料”だけでなく“水素の影響を受ける材料”(例えば炭素鋼などの安価なBCC鉄鋼材料)の水素脆化の本質を見極めて安全・安心な設計指針を構築し、積極的に使用することが求められる。本研究成果はき裂進展の加速現象に着目し、そのミクロメカニズムを解明するものである。詳しくは水素によるマクロな特性変化の一つである疲労き裂進展加速現象の負荷速度依存性と水素ガス温度依存性をき裂先端部における転位と水素の熱的ミクロ相互作用により統一的に理解できることを明らかにした。
|