研究課題/領域番号 |
20K04165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
志澤 一之 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (80211952)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | LPSO型Mg二相合金 / 有限変形理論 / 結晶塑性Cosseratモデル / キンク帯 / 回位密度 / 転位密度 / 強度発現機構 / 寸法効果 / Mg基LPSO二相合金 / メッシュフリー法 / LPSO相 / キンク / 結晶塑性 |
研究開始時の研究の概要 |
長周期積層構造(LPSO)を有するマグネシウム(Mg)合金は,微視的な塑性座屈であるキンク帯形成に端を発する材料強化によって飛躍的に性能を向上させ得る.しかしながら,キンク帯の形成機構および形成条件は十分に解明されておらず,従来のせん断モード(転位の移動,蓄積)に加えて回転性の塑性変形機構(回位の移動,蓄積)を考慮したモデルの構築が期待されている.本研究では,転位に加えて回転性の結晶欠陥である回位を考慮した大変形結晶塑性モデルを構築し,高次ひずみこう配の解析に適するメッシュフリー法を用いてLPSO型Mg二相合金におけるキンク帯形成およびその後の強化の再現を可能とする数値解析手法を確立する.
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研究成果の概要 |
長周期積層構造(LPSO)相を有するMg二相合金は,微細なキンク帯形成によって飛躍的に力学特性が向上する.本研究では,キンク帯形成による材料強化機構を解明するため,Cosseratモデルを有限変形理論の体系で結晶塑性論的に定式化し,転位蓄積と回位発生を同時に考慮した材料モデルを構築した.また,得られたモデルを用いて短冊形三結晶に対してメッシュフリー解析を実施し,圧縮負荷によるキンク帯形成後に逆負荷を作用させると,Ridge形キンクが発生し易いほど局所方位差および転位が多く残存して終端強度が増大すること,ならびにα-Mg相の平均粒径が小さいほど逆負荷後の終端強度がさらに上昇することを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
構造材料の軽量化と強化の立場から脱炭素社会実現に寄与する以下のような知見を得た.有限変形理論の範疇では,GN転位密度はすべりこう配のみならず回位密度にも依存する.また,試験片端部の回転を拘束できる本モデルでは,試験片寸法によらずキンク帯を再現できる.さらに,微視回転と巨視回転を独立変数としつつペナルティ法で一致させれば,C0級要素を用いたFEM解析によってメッシュフリー法と同程度の精度で計算コストを低減させ得る.加えて,底面系を荷重軸にほぼ平行に配置するとともに初期方位の不均一性を増大させ,α-Mg相を微細化すれば,圧縮後に逆負荷を加えた際,終端強度を1~3割程度増加させ得る.
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