研究課題/領域番号 |
20K04178
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
マカドレ アルノー 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (20635891)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 水素脆化 / 鉄鋼材料 / オーステナイト / 相変態 / 窒素添加 / 組織微細化 |
研究開始時の研究の概要 |
オーステナイト系ステンレス鋼は水素脆化が起きにくいが強度不足の弱点がある。それに対して、組織微細化と窒素添加によって優れた強度が得られる。また窒素添加は水素固溶限低下とオーステナイト相安定化の効果がある。しかし、その効果を組み合わせて研究されていない。この申請には、両者組織微細化と合金元素添加(窒素添加)を組み合わせて耐水素脆化高強度鋼の 創出に関わる研究である。組織微小化に関わる加工方法、合金中の元素の相互作用(組織・窒素・水素)、水素による破壊機構を調べ、今後の水素社会に求められる合金の製法開発を目指すと同時に高窒素量添加のオーステナイト鋼に起きる水素挙動を明確にする。
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研究成果の概要 |
水素適合性のある準安定オーステナイト系ステンレス鋼の開発研究である。元の材料は水素適合性のない(水素脆化が起こる)準安定オーステナイト系ステンレス鋼SUS304であり、それに最適な添加する窒素量を調査し、組織微細化処理を行い、水素適合性のある安定オーステナイト系ステンレス鋼と同様な水素適合性を得ることが可能になり、さらに水素適合性のある安定オーステナイト系ステンレス鋼より高強度な材料(降伏応力を200MPaから470MPa程度に増加)を作成できた。窒素添加および組織微細化の組み合わせにより耐水素脆性な高強度低ニッケルオーステナイト系ステンレス鋼の実現ができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素適合性のための添加窒素量は0.3mass%とされていたが、初めて0.3mass%以上でも組織微細化を組み合わせれば、水素脆化を妨げることを示した。耐水素脆性合金のデザインのために重要な知識である。 また低ニッケルオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)でも応用できる方法(高温窒素ガスによる窒素添加+冷間圧延と再結晶熱処理)により水素適合性と強度増加を同時に得ることができることを示した。その結果から、水素設備に利用できる材料が増え、水素社会の実現に繋がる。
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