研究課題/領域番号 |
20K04187
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
|
研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
池永 訓昭 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (30512371)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | DLC膜 / Si添加DLC膜 / 耐熱性膜 / 機能性膜 / イオン照射 / デュアルプラズマ / 元素添加膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究期間内に,原子状Siを添加したDLC膜中でのSiの存在形態(原子状あるいは化合物状など)およびC原子の存在形態と低摩擦発現との相関関係を明らかにすることを最重要と位置付けている.すでに作製に成功している原子状Siを添加した耐熱性DLC膜を種々の温度環境に暴露したときの膜中のSi元素およびC元素の存在形態を分析することで目的を達成する.分析には透過型電子顕微鏡,X線回折装置,X線光電子分光装置,ラマン分光装置(いずれも既存設備)などを用い,サンプルの作製,評価試験片の作製,評価・分析を一貫しておこなうことで,評価結果を成膜プロセスにフィードバックしながら.プロセスの開発をおこなう.
|
研究成果の概要 |
著者はDLC(Diamond Like Carbon)膜に微量のSi元素を添加することで高温環境に暴露してもDLC膜が消失しない現象および摩擦係数が低い特異なSi濃度が存在することを見出してきた。本研究では、高温環境に暴露したSi添加DLC膜中のSiがDLC膜中にSiO2結晶として存在し、SiO2のバリア機能によって膜の消失が防止されること、またSiO2結晶含有DLC膜はSi:C=1:0.4~4.5の範囲のC元素で構成された場合に低摩擦係数を発現する可能性があることを明らかにした。さらにSi添加量を高精度に制御するための成膜技術もあわせて検討し、要素技術を開発した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究でDLC膜の耐熱温度の改善はSiO2結晶含有DLC膜によるものであること、この膜を合成するためには膜中にSiOx結合を含んでいる必要があることを明らかにした。また、SiO2結晶含有DLC膜で低摩擦係数を実現するためにはSiO2結晶含有DLC膜のC/Si組成比が0.4~4.5程度必要である可能性があることが示唆された。また、高精度にSi添加量を制御するためのスパッタリング/ PBII&D複合成膜技術開発においては、基板材料に依存しないイオン照射機構を開発し、これによってDLC膜の欠点であった耐熱性を改善でき、かつそれを実現するための成膜技術の可能性を示すことができたと考えている。
|