研究課題/領域番号 |
20K04189
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
谷 貴幸 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (80279554)
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研究分担者 |
丹野 格 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (30435391)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 放電加工 / 表面改質 / 走査加工 / 細線電極 / 堆積加工 / パイプ電極 / 金属3Dプリンタ / アークプラズマ |
研究開始時の研究の概要 |
放電加工法は,高精度な除去加工法としてだけでは無く,高温のアークプラズマを用いた表面改質法として用いられている。しかしながら,放電表面改質法では,過渡的なアークプラズマを用いているため,その入熱のコントロールが困難であり,改質と同時に加工物の除去を伴う方法であった。 本研究では,これを解決するためにアークプラズマの滑り現象を利用した面改質法を試みる。具体的には,パイプ電極の高回転により加工物との間に高速相対運動を付与し,入熱のコントロールを図る。この方法により,来までの問題の一つでもあった表面粗さの改善も期待でき,かつ,電極の消耗を促進することにより堆積加工へと発展も目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、電極と加工物との間に高速に相対運動を与え、アーク柱を滑らせながら加工することにより、電極材料を被加工物側に移行させる表面改質法を提案している。これまでは、薄肉のパイプ電極を高速に回転させながら、長いパルス幅の放電の発生させ、表面改質を実施してきており、電極成分を加工物に付着させる表面改質は成功している。ただし、加工物がわずかに除去されることやパイプ形状であるため材質が限られるといった問題があった。そこで、同様の効果を細線による相対運動を付与することにより実現を試みた。具体的には、細線に円運動を与え、これを走査することによって実施した。この結果、パルス幅の長い条件においては、相対運動速度がかなり小さい条件においても、加工物はほとんど除去されることなく、電極成分が加工物に移行する現象が確認された。このことは装置構成において非常に有利であり、アークが滑るような特別な条件下でなくても改質加工が可能であること示しており、汎用性の高い技術になる可能性を見出した。 これらの成果に基づき、特定の面積に対して改質を行うために、細線電極を相対移動させながら、加工物を移動させる走査加工を実施した。細線には、高硬度、高融点の材料であるタングステンを用いた。この結果、母材はほとんど除去されず、走査面全体に放電改質面の形成が認めれた。ただし、形成された改質面は所望する硬度には達していない部分もあり、均一性については今後さらなる検討が必要となっている。
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