研究課題/領域番号 |
20K04201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
瀬戸 雅宏 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90367459)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 射出成形 / 繊維配向 / 可視化観察 / 配向制御 / 製品設計 / 繊維強化樹脂 / 機械的特性 / 軽量化設計 / 物性発現 / 強度設計 / 計量化 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはこれまで,樹脂部品の軽量化を目的に射出発泡成形技術ならびに金属と樹脂接合技術を確立してきた.しかし,自動車業界ではさらなる軽量化技術が求められている.一般に部品設計においては,材料を均質な等方材料として取り扱うが,実際には特定の方向に荷重が作用する場合が多く,その方向に強度・剛性を発現させることで材料を有効に使用でき,軽量化を実現できる可能性がある. 本研究課題では,繊維強化射出成形品に生じる力学的特性の異方性に着目し,この異方性を積極的に制御して,実際の使用環境に応じて力学的特性を発現させ,無駄なく材料を使用することで軽量化を図る技術を確立することを目的とする.
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研究成果の概要 |
繊維強化プラスチック射出成形品は,高強度かつ成形性の良さから広く用いられている.しかし,金型内に樹脂を充填する際,その流動によって強化繊維が配向し,そり変形や収縮異方性などの不良の原因となる場合がある.本研究では,射出成形における強化繊維の配向を積極的に制御する手法を検討した.樹脂流動挙動の可視化観察により,繊維配向挙動は,キャビティ厚さ方向の樹脂流速分布によって生じるせん断応力とその時間変化に影響を受けることが分かった.このせん断応力は固液境界層で最も高くなることから,成形中の固化層制御により配向制御でき,さらに配向制御によって成形品の力学特性も任意に制御できることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球環境問題を背景に,輸送機器分野において部品の軽量化対策が積極的に行われている.プラスチック部品の軽量化手法の一つとして,ガラス繊維や炭素繊維を含有した繊維強化樹脂射出成形品が用いられている.この繊維強化樹脂射出成形品は,繊維の配向によって力学特性が変化することから,本研究で検討した繊維配向メカニズムおよび配向制御手法によって,任意の方向に力学的特性を発現させること可能となる.このことは設計した部品の力学的な使用環境を事前に把握することができれば,その使用環境に応じた部品設計が可能となることを示唆しており,プラスチック部品のさらなる軽量化が期待できる.
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