研究課題/領域番号 |
20K04213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
武澤 英樹 工学院大学, 先進工学部, 教授 (40334148)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細穴放電加工 / パイプ電極 / 放電不安定状態 / 加工粉 / 加工液噴出圧 / 高アスペクト比 / 細穴加工 / 放電加工 / 電極形状 / 加工不安定 / 加工粉排出 / 深穴加工 / 放電不安定性 / 外周溝形成 / 異形状断面 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,市販の細穴放電加工機を用いた深穴加工において経験的に知れている放電不安定に起因する加工速度の低下および加工の停滞現象の解消に向けたパイプ電極外周部への溝加工を含めた断面形状制御の効果を明らかとするものである.経験的には,放電不安定状態になるのは加工粉の排出が滞るためであろうと推察されているが,その検証や不具合解消のための有効な対策は提案されていない.そこで本研究では,各種断面形状の創成とその電極を用いた深穴加工実験,および深穴加工時の加工部位近郊に着目した流体解析から,放電不安定性要因の解明とそれを解消するための最適パイプ電極断面形状の提案を目指す.
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研究成果の概要 |
高硬度材料の形状加工が可能な放電加工の中で,細穴を加工する細穴放電加工がある.これは,パイプ状の黄銅や銅電極を用いて中空部から水系加工液を噴射しながら加工を行う.直径に対して深さが100倍以上にもなる深穴加工においては,加工粉の排出が滞るためか,放電状態が不安定となり加工速度が低下する.そのような現象を解消する目的で,電極外周部へのストレート溝の追加や,電極断面形状を変更した加工実験を行ったところ,放電不安定現象を回避することができ,加工時間が短くなった.また,加工液の噴射圧力を変更しても放電不安定現象が発生しない場合があり,加工液噴射圧制御による加工速度向上への取り組みにつながった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
深い細穴は,各種金型の冷却用細穴や発電用タービンブレードの冷却穴など,多岐にわたり必要とされている.特にアスペクト比100を超える深穴になると,放電加工あるいは電解加工が多く用いられる.ただし,どちらも加工深さが深くなると加工液および加工粉の排出が滞るため,加工速度の低下が生じてしまい,結果として加工時間を長くしている. そのような状況において,本研究で提案する電極形状の工夫や加工液噴出圧を制御することで加工速度の低下を防ぐ効果があることが分かった.特に,加工液噴射圧制御は既存の設備ですぐに対応することが可能であり,すぐに活用可能な技術という意味では工業的意義は高い.
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