研究課題/領域番号 |
20K04220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 熊本高等専門学校 |
研究代表者 |
井山 裕文 熊本高等専門学校, 生産システム工学系APグループ, 教授 (40300660)
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研究分担者 |
比嘉 吉一 沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 教授 (20335368)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 紙材の変形評価 / 衝撃パラメーター算出 / 数値シミュレーション / 圧力測定 / 引張試験 / 応力-ひずみ線図 / 積層紙型の評価 / 紙型 / 水中衝撃波 / 水中細線放電 / 衝撃特性評価 / 衝撃波速度 / 解析モデル / 衝撃成形法 / 紙 |
研究開始時の研究の概要 |
金属板の衝撃成形法では、衝撃波により金属板が高速変形を伴い型に衝突することで十分な塑性変形がなされ、静的プレス成形と比較して型形状の転写性に優れている。ここで特徴的なのは金属製の型ではなく、紙を型材料としても十分な塑性変形を金属板に与えることができ、型材としてもコスト削減、工程削減、型の製作時間削減などのアドバンテージも考えられる。 本研究では紙の衝撃特性を明らかにし、紙の性質を十分に活用できるような手法の提案と紙型を利用した金属成形技術の確立を目的として、数値シミュレーションの活用と実験検証による調査を行う。
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研究実績の概要 |
(1)紙の衝撃特性評価:紙型の材料となるコート紙において、高速度ビデオカメラを用いた衝撃波透過試験を実施した。その結果を基に衝撃特性評価を行った。コート紙に入射する衝撃波速度と透過後の衝撃波速度を求めた。その結果、衝撃波特性を示す衝撃波速度および粒子速度を求めることができた。これらを数値シミュレーションに活用する状態式のパラメーターとして用いる。これまで紙などの衝撃波特性を評価したものが無く、この衝撃特性評価により大きく本研究課題の最終目標に近づいた。 (2)数値シミュレーションによる紙の衝撃特性評価:上記(1)の成果により、紙材を型にした金属板の成形シミュレーションを行うことができた。細線放電による水中衝撃波の発生については、すでに爆薬換算としての薬量が同定されたので、その薬量による爆薬の水中爆発による水中衝撃波の圧力分布を求めることが可能となった。この圧力値と実験で得られた圧力値との比較を行い、数値シミュレーションの妥当性を検討し、その手法を確立できた。 (3)紙材の機械的性質の評価:紙材の機械的特性を評価するための引張試験を実施できるように、専用の治具を開発し、コート紙の引張試験を行った。その結果、応力-ひずみ線図を求めることができ、静的引張荷重による紙材の引張強度を求めることができた。 (4)紙型を用いた金属成形実験とその評価:銅板の衝撃成形において、紙型が1枚のときと、複数枚積層した場合の成形結果の比較を行った。ここでは積層した場合の紙型のダレや厚さの評価が行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、本研究課題において、明らかになっているのは、紙材の変形評価、紙型を用いた際の成形板の変形評価、紙材の衝撃特性の評価と衝撃パラメータの算出、紙材の応力・ひずみ線図による機械的性質の評価、数値シミュレーションの確立のための金属細線の水中放電による衝撃波の圧力測定結果と解析結果との比較、解析モデルの作成である。最終年度では、半期で金属細線の水中放電から、それによる圧力容器内部での水中衝撃波に伝播過程と発生した水中衝撃波による成形板の変形および紙型の変形シミュレーションを実施し、成形実験結果との比較を行うことで、成形板の変形特性および紙型の変形特性を明らかにすることである。ここまでの成果があるので、概ね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
金属細線の水中放電による水中衝撃波の伝播までを、爆薬の薬量が同定されたので、その成果を基に、圧力容器内部での水中衝撃波に伝播過程と発生した水中衝撃波による成形板の変形および紙型の変形シミュレーションを実施する。この結果と成形実験結果との比較を行う。また、本研究課題の成果を総括し、論文発表を行う。
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