研究課題/領域番号 |
20K04227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18030:設計工学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
舘野 寿丈 明治大学, 理工学部, 専任教授 (30236559)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | アディティブマニュファクチャリング / 曲面積層 / 連続繊維 / セルロースファイバー / 双腕ロボットアーム / 造形パス / ロボット積層造形 / 積層造形 / セルロースナノファイバー / 繊維配置 / 位相モデル |
研究開始時の研究の概要 |
セルロースナノファイバー(CNF)は紙や木材をナノサイズにまで細かくした繊維であり、強度が高く軽量で、しかも自然に優しい素材であることから、次世代の材料として注目を集めている。そこで申請者らは、CNF材料を糸状の連続繊維にして積層造形する方法を考案し、製作に成功した。しかし強度が繊維の向きによって大きく異なるので、強度設計法の確立が急務である。本研究では、強度が得やすくなるよう、物体を包み込むように繊維を配置する曲面積層法を採用した上で、目的の強度に見合う繊維配置設計法を構築する。さらに、計画された配置方法に従って6軸ロボットで物体を製作し、実際に強度評価を行って設計法の有効性を検証する。
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研究実績の概要 |
本申請課題ではセルロースナノファイバー(CNF)材料を機械部品として実用的に利用するための製造方法として、連続繊維と樹脂との複合材料を積層造形する方法に着目し、この製造方法に適する繊維配置設計法の確立を目指している。これを実現する方法として、連続繊維を切らずに表面を包み込むように積層する曲面積層法を開発し、その上で、要求強度に見合う繊維の位置と方向を自動的に算出する造形パス設計法を構築する。令和4年度は、これまでの研究成果を総合して最終成果とするための課題を具体的に設定し、実施した。 目的の実現に必要なソフトウェアアルゴリズムとして、スライスアルゴリズム、強度モデル変換アルゴリズム、造形パス生成アルゴリズムの3つがある。スライスアルゴリズムについては、既にz軸回りの任意の平面でスライスできるようになっている。本年度は、適切なスライス平面を導出する強度モデル変換アルゴリズムの開発に向けて、強度シミュレーションの実現手段の検討および構築を行った。強度モデル変換アルゴリズムは要求強度に見合う繊維配置を導出するものであり、強度シミュレーションがこれを構築する上での重要な位置づけとなる。通常のソリッドモデルであれば市販の有限要素法(FEM)ソフトウェアで可能だが、連続繊維が押し出された形状は複合材料であり、かつ複雑形状でモデル化が困難なため、市販のFEMソフトウェアに持ち込むことができない。このためコンピュテーショナルデザインの技術を用いて、複雑な構造であっても押出し形状の特長を利用して画一的にモデル化するアルゴリズムを開発した。 造形パス生成アルゴリズムとしては、6軸ロボットアームを双腕にして軸数をさらに増やし、動作プログラムにはオープンソフトウェアであるROS2を採用して、特異点回避を行う造形パス生成アルゴリズムの開発を行い、これにより上向きを含む任意の向きへの造形を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
進捗についてソフトウェアアルゴリズムと実機による造形実験とに分けて示す。 本研究において開発すべきソフトウェアアルゴリズムは、スライスアルゴリズム、強度モデル変換アルゴリズム、造形パス生成アルゴリズムに分けられる。このうちスライスアルゴリズムについては、既にz軸回りの任意の平面でスライスできるようになっており、本研究で目標としていた成果は得られている。強度モデル変換アルゴリズムは、自作のソフトウェアによりFEMメッシュを作成し、市販のFEMソフトウェアで解析できるようにする計画であるが、材料が連続繊維と樹脂との複合材料であるために、メッシュ構築が容易ではないことが判明した。このため実現手段の検討に時間を要したが、現在は、その方策が見つかり、開発を進めている。造形パス生成アルゴリズムは、6軸ロボットアームでの曲面積層に向けた造形パス生成アルゴリズムは完成し、目標としていた成果が得られている。ただしこの研究は当初の計画を越えて、6軸ロボットアームを2台配置した双腕ロボットアームによる曲面積層の研究へと展開している。双腕にすることで、ノズルだけでなくベースも自由な姿勢で造形が可能になる。さらに汎用のロボット言語であるROS2を採用することで、多軸運動の動作生成およびシミュレーションを実現している。 実機を用いた造形実験では、造形パス生成アルゴリズムの検証として実施した。当初の計画であった6軸ロボットアームによる凸形状の曲面積層を実現し、精度評価したことに加え、さらなる展開として双腕ロボットアームへ適用した実験も進めている。 以上のことから、おおむね当初の計画通りに進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本課題での実質的な研究としては、おおむね当初の計画通りに行われ、目標としていた研究成果はおおよそ得られている。次年度には、遅れている研究成果の公表を進める。現地で開催される国際会議への参加予定もあり、本研究課題で得られた研究発表を行う予定である。 また、本課題研究を進めている途中に新たに見つかった課題や方法で研究が進行中のものがある。これらの研究も本研究課題に含めて継続して行うことで研究成果を充実させていく予定である。
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