研究課題/領域番号 |
20K04230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18030:設計工学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
劉 陽 崇城大学, 工学部, 准教授 (00759285)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 耳小骨再建 / 最適設計 / トポロジー最適化 / 振動解析 / 有限要素法 / 振動変位最大化 / 中耳振動解析 / 伝音効果予測法 / 中耳の振動解析 / トポロジー・形状最適化 / 中耳再建 / 医工連携 / 振動問題 / 最適設計理論 |
研究開始時の研究の概要 |
人間の耳小骨連鎖が慢性中耳炎などにより損傷を受けた場合は伝音難聴となる。伝音難聴改善には手術を行い、人工代替部品を用いて損傷を受けた耳小骨連鎖を再建する。その手術は主として医師の技術と経験に基づき行われているが、手術の前に伝音効果を予測し、効果の最も高い手術方式を提案することができれば、医療技術の大きな進歩につながることになる。このような視点に立って、本研究では、有限要素法振動解析により確立された伝音効果の予測法を基に、中耳の伝音再建に使用される代替部品の最適な取付け位置および最適形状の自動創成システムを開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では損傷された耳小骨の代替部品の最適な取付け位置および最適形態を自動的に出力可能とするトポロジー最適化手法を開発してきた。研究には、アブミ骨底板の振動変位最大化を目的関数とし、軽量性を制約条件とする代替部品の形状・位相の変動に対する感度関数を理論的に導出した。そして、構築した理論に基づき、最適な人工代替部品の自動創成システムを構築した。 その検証例として、独特な形状を持つアブミ骨を直方体の設計領域に取り替え、最適計算を用いてアブミ骨の形態再現に成功した。また、慢性中耳炎により耳小骨連鎖が損傷を受けた場合の伝音再建手術へ適用し、最適化手法の有効性を検証することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで中耳の伝音再建における手術方式の選択や聴力の改善効果の検討等についてはそれぞれの医師の経験によって判断されてきたが、伝音効率の最も良い耳小骨再建方法を工学的に明らかにするのは新たな取り組みである。本研究を進めることで難聴の手術的治療に指針ができ、医療技術の大きな進歩につながることになる。また、手術の前に最適な手術方法の検討ができることは手術を受ける難聴患者の手術に対する不安を除去し手術に対する希望を与え、その後のQOL(Qualty of Life)向上につながる。さらに、生体の機能改善、ひいては長寿命化、さらには新たな健康産業の創出につながることが期待できる。
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