研究課題/領域番号 |
20K04233
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18030:設計工学関連
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研究機関 | 阿南工業高等専門学校 |
研究代表者 |
原野 智哉 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 教授 (20332067)
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研究分担者 |
綿崎 将大 広島商船高等専門学校, その他部局等, 講師 (50791125)
田中 淑晴 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (70455137)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 月面開発 / 掘削ドリル / 磁気歯車 / 2重反転 / 非接触 / メンテナンスフリー / 超伝導 / 宇宙環境 / ネオジム磁石 / 減速比 / 軸方向磁場 / 伝達効率 / 超伝導材料 / 月面都市計画 |
研究開始時の研究の概要 |
地球上で不足するアルミニウムなどの資源は月の埋蔵している鉱石から採取できる.月の重力は地球の1/6で大気が存在しない.十分な重力が望めない環境で掘削を行うためには,回転反力を打ち消す2重反転ドリルやモグラ型ロボットなどが開発されているが,本格的な掘削のためには掘削ドリルへの高圧力×高トルクが必要不可欠となる.本研究は-170℃以下の低温真空環境下でネオジム磁石の10倍の磁力を発揮する超電導材料を磁石として用い,宇宙環境として低温高真空無潤滑下で利用可能な小型2重反転掘削ドリルの開発への基礎研究として,10Nm以上の高トルク伝達を可能とする超電導磁石磁気歯車装置を開発せんとするものである.
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研究成果の概要 |
減速比3,直径100mmの軸方向磁場磁気歯車を用いて,宇宙環境への適用可能性を実証するため,-48℃,0.1Paの低温低真空環境下において伝達トルク0.5-2.0Nm,回転速度400~1400rpmで動力伝達性能実験を実施した.伝達トルク20Nm以上の大きい場合であれば,伝達効率は60%程度が得らえれることが判明したが,低温真空環境下においては,磁気歯車を支持する軸受の摩擦損失や磁石中の渦電流による発熱による伝達効率の低下が懸念されることが分かった.また,軸方向磁場磁気歯車の隔壁および2重反転機構を活用した,総重量8.5㎏の2重反転掘削ドリルの試作が完成した.今後,掘削性能を検証予定である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人口増加とともに地球上の資源不足が懸念され,人類の発展において宇宙開発が必須不可欠になりつつある.月面には地球資源の3000年分があるとされており,その豊富なFe,Ni,Al,氷をはじめHelium2の資源は,開発国の所有物となる.また,火星探査や火星移住計画を推進する上で,中継基地と考えらえれる月面の資源開発は必要不可欠となっている.月面にはレゴリスと呼ばれる微細な砂が多数あり,これらが多種多用な設備機械に故障やトラブルを生じるとされており,宇宙環境に直接曝露せず動力伝達できる機構が必要不可欠となっている.以上の観点から,磁気歯車を搭載した2重反転掘削ドリルの研究開発は将来重要な役割を担う.
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