研究課題/領域番号 |
20K04245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 鹿児島工業高等専門学校 (2022) 兵庫県立大学 (2021) 東京都市大学 (2020) |
研究代表者 |
杉村 奈都子 鹿児島工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00563959)
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研究分担者 |
杉村 剛 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 特任研究員 (80455493)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 焼付きモデル / SPH法 / 境界潤滑摩擦 / メソスケール / 可視化 / トライボロジー / 計算機シミュレーション / 粗視化 / 焼付き / マルチスケールモデル / シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
メソスケールにおける、弾塑性体同士の摺動時摩擦摩耗、凝着、発熱、焼き付きの実過程の解明を目指す。Smoothed Particle Hydrodynamics法(以下、SPH法)を基本とし開発を進めた固体-固体系大規模並列計算用粗視化モデルを拡張し、金属(弾塑性体)が薄い油膜を挟んで摺動する境界潤滑系に適用させて、計算機シミュレーションを行う。また、界面間相互作用のミクロスケールからメソスケールへのマッピング(マルチスケール化)の精度向上にも注力する。さらに、データ量の大きい実界面データを用いた検証を目指す。可視化については、Webブラウザ上で稼働するアプリケーションの開発を更に進める。
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研究成果の概要 |
HPCIの利用により、十分な荷重負荷条件におけるせん断試験の繰り返しが実現した。アルミニウムのせん断試験では、凝着が界面凸凹の接触部を起点に界面上に広がり、塑性域が界面近傍から周縁部に広がって、突発的に高温を検出する様子を再現した。このような凝着進展系の特徴的指標を提案した。固液連成モデル、界面相互作用のボトムアップモデルも併せて実装した。可視化システムCedarPlotは、従来のポリゴン描画に代えてWebGLの一機能を用いた新たな描画モジュールを組み入れてメモリ使用量を削減し、HPCI計算による出力データ量増大に対応した。結果の時間相関解析機能、特徴量抽出機能の追加を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
接触、摩耗、発熱、塑性流動、凝着を一つのモデルで計算できるメソスケールシミュレーターは本件が初である。原子分子の大胆な粗視化と、連続体のスキームを基本に据えることで初めて実現した。今回、複数の凝着部位が摩擦界面上で接合進展し、塑性・高温域が周縁に急速に広がり、突発的な高温が周縁部で検出されることを明らかにした。経験的・理論的仮定を置かずにこの結論を得たことは、汎用性シミュレーターとしての可能性を広げている。なお、発熱についてはそれが閃光温度の理論解と辻褄の合うことを、学会で発表し、論文に投稿している。物理的な計算結果をwebアプリで無償で確認できるようにした社会的意義も大きい。
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