研究課題/領域番号 |
20K04247
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
呂 仁国 関西大学, システム理工学部, 教授 (90758210)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | トライボロジー / 電気自動車 / 摩擦の電気制御 / 摩耗の電気制御 / 潤滑油の分解 / 電場 / 潤滑油 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、次のように研究を進めていく予定である。1)表面電位による金属表面活性、特に摩擦中の活性を定量化する。2)電場における潤滑油のトライボロジー特性に及ぼす印加電圧、電流方向、電圧と電流の大きさ、潤滑油の極性および添加剤の有無などの影響を解明する。3)電場印加する潤滑油の流動性とせん断場での分子配向を解明する。4)電場での潤滑油のトライボ分解のメカニズムを解明するとともに分解の抑制方法を確立する。5)数値シミュレーションによるメカニズムの本質を究明する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、急増する電気自動車分野を背景とし、電場・電流における潤滑油のトライボロジー特性の解明を目的とした。通電なしの場合と比べ、摺動面の静止側を正極に、摺動側を負極に繋いて通電した場合は、摩擦係数が上昇することが確認された。これは電流が摺動面の表面活性を変化させたと考えられる。また、電場が印加されると、潤滑油分子配向が起因となった低摩擦が維持出来なくなったことが、通電時の摩擦係数の上昇をもたらした。通電によるチャージされた潤滑油分子が不安定となり、新生面との反応が強くなったが、トライボ化学分解より遥かに少ないため、電気的な分解を無視することができる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、潤滑油のトライボロジー特性に及ぼす電流・電場の影響を調べた。学術的意義は、①表面電位法による電流が摺動面の表面活性への影響を明らかにしたこと、②FT-IRその場観察法による潤滑油分子挙動への電場の影響の明確ができたことと、③潤滑油分子の電気的な分解を解明することで、分子の吸着や分子配向などの分子レベルでの摩擦摩耗メカニズムを明らかにしたこと、の三点が挙げられる。本研究で得た成果は、電場の有効利用を促し、摩擦・摩耗特性を改善でき、産業界が悩まされてきた水素脆化型の早期転動疲労剥離の問題解決が可能となるほか、EV車や電気制御機械などの更なる性能向上への貢献も期待できる。
|