研究課題/領域番号 |
20K04249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 鶴岡工業高等専門学校 |
研究代表者 |
荒船 博之 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90707811)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ポリマーブラシ / トライボロジー / 自己修復 / ポリマーゲル / 界面分析 |
研究開始時の研究の概要 |
表面と接触面を包括的に扱うトライボロジー分野は機械機器の摩擦特性改善による高効率・長寿命なプロセス開発に寄与することが期待されている。本研究では基材内部からのブロックコポリマー(BC)の界面偏析を利用した自己修復性ループ型濃厚ポリマーブラシの開発と特性評価を行い、分子設計・界面のブラシ構造と潤滑特性の関係性を明らかにする。具体的には様々な構造のBCを基材に導入し、界面構造を中性子散乱や蛍光測定などにより検証する。並行して摩擦測定を行い、BCの化学構造や界面のブラシ構造と潤滑特性の関係性を明らかにする。これらを通して実用に耐える潤滑コーティングとして開発を行い、実用系へと展開する。
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研究成果の概要 |
2015年のパリ協定やSDGs策定を背景として循環型社会への移行が進む中、資源の乏しい日本では高効率かつ長寿命なプロセス開発を可能とする低摩擦な潤滑剤の開発は不可避の課題である。本研究では低摩擦潤滑材である濃厚ポリマーブラシ(CPB)について、ブロックポリマーの自己偏析による基材内部からのCPB形成を行い、ポリマー構造とその界面特性について解析を行った。その結果、ポリマー鎖長の制御によってラフな対抗面における低摩擦発現やポリマー形成速度・低摩擦性を制御できることが明らかとなった。得られた結果から、自己修復性と潤滑性・耐久性を有し、実用に耐えうる潤滑系として本系の活用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
濃厚ポリマーブラシ(CPB)は優れた潤滑性を示すことから高効率・長寿命なプロセス開発実現への寄与が期待される一方、摩耗による特性損失が本質的な課題となっていた。本研究はブロックポリマーの添加による基材内部からの自己偏析を利用したCPB形成について、ポリマー構造と表面特性の関係性について検証するとともに、実用に耐えうる潤滑界面の形成を明らかにした。本研究の結果はCPBの潤滑応用におけるポリマーの設計指針を提案するとともに、シール材や家電製品といった様々な製品の省エネ・長寿命化を可能とすることから、循環型社会構築に貢献するものと期待される。
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