研究課題/領域番号 |
20K04250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
田中 孝国 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (30413743)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ムチン / 摩擦 / 抗菌性 / 大腸菌 / ホウ酸 / 介護服 / 洗濯 / 濡れ / 床ずれ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、水和性潤滑材物質であるムチンを衣類(以降、寝衣)素材へ塗布することで、身に着ける寝衣と皮膚間の摩擦を最小限に抑え、寝衣―皮膚の接触部位で生じる皮膚障害である床ずれ(褥瘡)を防止にする手法について検討する。高齢化社会を迎える日本では、床ずれへの対応が緊急性を帯びている。日本褥瘡学会の2016年の調査によれば、病院に入院している患者の50-100人の1人に床ずれが見られると報告している。このように、長期入院患者の多くが併発しやすい床ずれを防止することで、患者の身体状態の改善を早めることが出来、社会復帰やQOLの向上につなが ると同時に、医療・看護・介護現場の負担が減ることが期待できる。
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研究成果の概要 |
ムチンは生体内で潤滑作用を示すことから,床ずれの抑制・予防に対し有用な物質の一つである。本研究では,ムチン懸濁液の及ぼす介護服-人工皮膚間の摩擦特性について調査した。その結果,ムチン懸濁液の摩擦低減に寄与する濃度範囲が300~400 [g/L]であること,ムチン懸濁液の濃度変化による静/動摩擦係数の変化は,ムチンの凝集性が関与していることが示唆された。更に,繰り返し洗濯を実施しても効果を示すことが判明した。ムチン懸濁液に抗菌性は無かったものの、抗菌性物質(ホウ酸)を添加しても摩擦低減効果は変化しなかったことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化社会を迎える日本にあって、床ずれの抑制・予防策は重要な課題である。床ずれは寝たきり状態でなくても非常に起こしやすい疾患でありながら、まだ抑制・予防策についての検討は十分ではない。本研究で得られた結果は、介護服に抗菌性物質を含んだムチン懸濁液を塗布するだけで(患者への負担もほぼ無く)、床ずれの抑制・予防策となりえる。その結果、入院期間の短縮が見込まれ、高齢者の早期社会復帰(QOL向上)に大きく貢献できる。
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