研究課題/領域番号 |
20K04262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
松原 雅春 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (10324229)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 乱流 / 境界層 / 主流乱れ / 層流乱流遷移 / 非線形 / 線形応答 / 乱流遷移 / 乱れ抽出 / 渦輪 / 撹乱抽出 / 受容性 / 前縁 |
研究開始時の研究の概要 |
主流乱れによる境界層遷移で前縁付近から挿入してくる撹乱の成長撹乱を追跡するため,渦輪撹乱を主流乱れに重畳して位相平均を取り受容過程を抽出する.主流にもともと存在する渦輪撹乱と同じ構造の乱れがどのように受容されるか定量的に求められ,例え受容過程が非線形でも,その振幅が弱い渦輪であれば受容過程は線形現象となることが予想され,実験でこの予想を検証する. 主流乱れ遷移でこの手法が有効であれば,壁面荒さや外部からの音波を撹乱源とした遷移にも応用することも可能となり,様々な撹乱源に対する総合的な遷移予測法に繋がる。これは,長年の問題である遷移予測法の開発におけるブレークスルーとなりえる。
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研究成果の概要 |
流れの中の物体の表面には境界層と呼ばれる薄いせん断層が発達し,下流にいくと乱流へと遷移する.遷移すると壁面での摩擦が大きくなるため,遷移を遅らせれば旅客機などの輸送機器の抵抗軽減につながる.物体周りの流れの乱れ(主流乱れ)が翼などの前縁から境界層に入る受容過程は解析が困難な非線形現象であるため,本研究では乱流研究で成功している線形応答抽出法を受容過程の解明に試みた.実験では主流乱れに人工撹乱を重畳させ境界層内の速度を位相平均して周期成分を求めた.その結果,周期成分が撹乱の強さに対し線形応答しており,線形応答抽出法が受容性の研究において強力なツールとして使えることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
境界層が層流から乱流へと遷移すると,壁面における摩擦や熱交換が数倍も大きくなるため,遷移の制御や予測は工業上の設計で重要である.しかし,遷移予測法は未だ確立されてない.本研究では遷移予測法の開発の妨げとなっていた前縁受容性の解明に対し,線形応答抽出法が適用できることを証明した.今後,さまざまな状況の受容過程に対し線形応答抽出法を用いた研究を行えば,遷移の制御や予測が可能となる.遷移制御を利用すれば大幅な摩擦抵抗の軽減が見込まれ,流体機械の高効率化,特に旅客機などの低燃費化につながると考えられる.
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