研究課題/領域番号 |
20K04274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
亀田 孝嗣 近畿大学, 工学部, 准教授 (70304491)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 乱流 / 壁面せん断流 / PIV / 壁面粗度 / 乱流構造 |
研究開始時の研究の概要 |
壁面せん断流に対する壁面粗度の影響は,圧力抗力による流動抵抗の増加によって平均速度分布形状に変化を生じさせ,それは滑面上の平均速度分布に対する速度欠損として現れる.速度欠損量の程度は壁面粗度近傍の平均速度勾配,すなわち平均渦度の変化して生じる.平均渦度の変化は乱流中の渦構造(形態・強さ)に関係する変動渦度と変動速度の相関項が重要となり,相関値の大きさや符号によって壁面粗度上の平均速度分布形状は変化すると期待される.そこで,異なる開口比の網粗面によって相関値の大きさと符号を変化させ,壁面粗度近傍における平均速度分布形状差に対する壁面粗度の影響を明らかにする.
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研究成果の概要 |
チャネル乱流において壁面粗度の歪度による平均速度分布の変化が変動速度および変動渦度の相関項に基づいて調査された.金網粗面流のカルマン定数は滑面流のそれよりも低く,壁面粗度の歪度に対して減少する.変動速度と変動渦度の相関項は壁面粗度によらず対数領域で一定となる.壁変数で無次元された垂直方向変動速度とスパン方向変動渦度の相関値は壁面粗度の歪度が-0.847の金網粗面流では滑面流の値と良好に一致するが,壁面粗度の歪度が増加するとその絶対値は減少する.壁変数で無次元されたスパン方向変動速度と垂直方向変動渦度の相関値は滑面流では正であるが,金網粗面流では壁面粗度の歪度によらずほぼ負となる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は,有効壁面高さ方向距離を使用した場合,粗面流における対数法則のカルマン定数の値が壁面粗度に依存する可能性を示唆するものであった.また,カルマン定数に対して,変動速度・変動渦度相関項の分布形状や符号が関係することを実験的にしたことは,学術的にも価値あるものである.対数法則に関する係数(カルマン定数を含む.)の壁面粗度に対する依存性が明らかになることによって,対数法則から導かれる抵抗則の提案に繋げることが可能となり,製品の設計への利用の観点から社会(産業界)に貢献できる.
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