研究課題/領域番号 |
20K04277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 一道 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (80453140)
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研究分担者 |
藤井 宏之 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00632580)
渡部 正夫 北海道大学, 工学研究院, 教授 (30274484)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 気体論境界条件 / 蒸発係数 / 凝縮係数 / 分子動力学 / 分子運動論 / Enskog-Vlasov方程式 / 気液相変化 / 凝縮係数・蒸発係数 / Boltzmann equation / 混合気体 / Enskog-Vlasov equation |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,分子気体運動論解析や分子動力学法などを用いて,凝縮性気体(例えば水蒸気)と非凝縮性気体(例えば空気)から成る混合気体と液体の境界における分子論的境界条件を構築ことを目的としている.また,得られた分子論的境界条件を流体力学方程式系の境界条件へと展開する.この境界条件が構築されることで,蒸発・凝縮を伴う混相流体の流れを正しく取り扱うことができるようになり,工学のみならず環境学などの分野にも応用することが可能となる. また,現在も未解明となっている気液界面の相変化物理について,分子レベルから正しい知見を得ることも本研究の大きな目的の一つである.
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研究成果の概要 |
本研究では,混合気体(蒸気分子と非凝縮性気体分子)に接した液体表面における気体論境界条件について,分子動力学法や分子運動論解析を用いて,特に気液非平衡状態における蒸発係数や凝縮係数の値を決定し,気体論境界条件の決定を行った. この結果,凝縮係数や蒸発係数の値は,気液平衡状態・非平衡状態に関わらず非凝縮性気体分子の数の影響を受けることが確認された.この理由の一つとして,非凝縮性気体が気相中に多い場合,気液界面近傍における非凝縮性気体の数も増加する.その結果,液体から蒸発した蒸気分子が非凝縮性気体分子と衝突を起こしやすくなり,後方散乱することで再度液体に戻る効果があることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,気液界面における熱・物質輸送について重要な因子となる蒸発・凝縮係数を分子シミュレーションを用いて求めた.特に,これまで未解明であった非平衡状態における混合気体に接した液面上の蒸発・凝縮係数の値を決定し,混相流体の力学にその知見を展開することを目指している.本研究成果より,平衡状態・非平衡状態に関わらず,蒸発係数や凝縮係数の値は液体温度と非凝縮気体分子の数で整理できることが明らかとなった.これは,様々な種類の分子について蒸発係数や凝縮係数の値が必要となった場合,気液平衡系のみを解析することで蒸発係数や凝縮係数を決定できることを示唆しており,応用上重要な知見である.
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