研究課題/領域番号 |
20K04279
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 中部大学 (2022) 宇部工業高等専門学校 (2020) |
研究代表者 |
米村 茂 中部大学, 工学部, 教授 (00282004)
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研究分担者 |
山口 浩樹 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (50432240)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 分子流体工学 / クヌッセン力 / 希薄気体力学 / 分子流体力学 |
研究開始時の研究の概要 |
マイクロ・ナノスケールの空間で気体温度場に不均一がある場合、気体分子によって固体表面にもたらされる運動量にアンバランスが生じ、クヌッセン力と呼ばれる力が固体に働く。本研究では、二つの物体に温度差を与え、それらを接近させることにより、両物体の間の気体に不均一な温度場を作り出し、クヌッセン力を働かせて相対運動を熱的に駆動する動力機構を構築することを目的とする。 理論的な考察により、クヌッセン力が得られる条件を検討し、数値シミュレーションによって確認し、理論的予測と照らし合わせながら、所望の力を得るための条件を検討して行く。また、理論及び数値解析で得られた成果を検証することを目的として実験も行う。
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研究成果の概要 |
ノコギリ歯形状の表面構造を持つ高温基板に気体分子の平均自由行程程度まで低温物体を近づけた場合に、両物体を接線方向にスライドさせるようにクヌッセン力が働くことを数値実験によって示し、その大きさを理論的に予測することに成功した。この理論によりこのクヌッセン力が働くメカニズムが明確になり、それに基づいて、より強い力を引き出す表面構造の形状を提案し、もとのノコギリ歯の2倍以上のクヌッセン力が得られることを示した。また、これまでノコギリ歯形状の基板で現れるクヌッセン力は数値計算においてのみ確認されてきたが、本研究で構築した実験系においてクヌッセン力が働くことを再現し、その大きさを計測することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Crookesのラジオメーターの駆動力はクヌッセン力の一種と言えるので、クヌッセン力は非常に古くから研究されてきたと言える。また、近年の微細加工技術の向上から、MEMSやNEMSなどのマイクロデバイスの発展が著しい。その構造の微細化に伴い、クヌッセン数が高くなるため、クヌッセン力が顕在化し、その利用が期待できる。しかし、クヌッセン力を駆動力に利用したデバイスはまだほとんど世に出ていない。そのような状況の中で、本研究では、クヌッセン力を用いた新たな一つの動力機構を提案した。これは、学術的にも応用面においてもインパクトが大きいことであると言える。
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