研究課題/領域番号 |
20K04281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
坪田 健一 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (10344045)
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研究分担者 |
菅原 路子 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30323041)
中田 敏是 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80793190)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | バイオメカニクス / レオロジー / 微小循環 / 腎臓 / 計算機シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
腎臓では,血液のろ過,水分・電解質の再吸収,および尿の分泌によって老廃物が排泄される.この機構を理解することは,腎機能の理解と慢性腎臓病(CKD)の診断と治療に役立つと期待される.本研究では,血液および尿の流体力学的な振る舞いを明らかにすることで,腎機能の発揮および破綻の仕組みの一端を示す.特に,血管網・尿管網系の流れと物質輸送に着目し,連続体力学に基づくバイオメカニクスモデルの構築を通じて,力学量に応じた排泄機能の時空間的な局在化と,それに起因する腎機能の破綻の過程を明らかにする.さらに,構築したモデルの慢性腎臓病(CKD)に対する診断,予防や治療における有用性を検証する.
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研究成果の概要 |
腎臓内の流れの計算機シミュレーションを行った.まず,腎臓内の特徴的な血管分岐構造に対して,血管分岐の様式(対称あるいは非対称)と数を用いたパラメトリクな血管網形状の構築を行った.このモデルを用いた血流計算によって,生理的な血管網構造では,非対称な血管分岐構造に応じて流量および圧力が空間的に分布することが分かった.さらに,血球の回転運動様式および血管分岐の非対称性によって,血球および血流量が空間的に偏在することが明らかになった.このような流れの分布は,物質輸送や力学量の偏在を通じて腎機能および局所的な病変に関わる可能性がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管網の非対称な構造ならびに赤血球の回転運動が腎臓内の流量や圧力の時空間的な変動に与える影響の一端を明らかにした.これは,腎臓の生理的および病的な振る舞いに対して,流れの力学が重要な役割を果たすことを示唆する結果であり,腎機能の深い理解とそれに基づくCKDの発症・進展機序の解明において,流れのバイオメカニクス研究の重要性を示すものと考えられる.本研究は,簡易で低コストな高機能診断や発病予測などの高度な医療技術の創造に繋がると期待される.
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