研究課題/領域番号 |
20K04283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田中 博人 東京工業大学, 工学院, 准教授 (80624725)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リブレット / 壁面摩擦 / 抵抗低減 / ペンギン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「速度と迎え角が非定常に変化する3次元物体において、表面リブレットが全抗力と境界層剥離に及ぼす影響を実験的に明らかにし、流体中の移動物体の抗力低減に最適なリブレット形状を提案する」ことである。設計出発点として、表面に微細な羽が整然と配向したペンギンを規範とする。形態計測に基づいてスケーリング模型を作成し、回流水槽を用いて抗力計測実験とPIV(粒子画像計測)解析を行う。
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研究成果の概要 |
ペンギンの体表の羽毛を規範とした台形リブレットを提案した。ポリイミドフィルムを紫外線レーザスキャン加工することで、リブ間隔 100 μm および 40 μm のリブレットフィルムを実現した。リブレットフィルムを貼った平板および紡錘体の抵抗を回流水槽で計測して、抵抗低減率を算出した。平板では、無次元リブ間隔 s+ が 1.59 のときに抵抗低減率は最大となり 1.97% だった。また、リブ配向を流れに対して15度偏差させた方が抵抗低減率は増大した。ただし、30度以上では抵抗は増加した。紡錘体では、s+ が 3.9のときに最大低減率は 3.28%となり、平板よりも抵抗低減率は増大した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、鳥類の体表の羽毛をリブレットと見なして抵抗低減効果を調べた研究は例がない。本研究で模倣リブレットが抵抗低減効果を示したことは、ペンギンの体毛が流体力学的にも適応進化したことを示唆し、生物学的にも意義深い。 また、本研究のリブレットは、流れに対する偏差角に対してロバスト性を示した。さらに、立体的な紡錘体にリブレットを適用した方が、平板に適用したときよりも、高い抵抗低減率を示した。これは、ペンギンと同様に、流れや運動の方向が変化する水中ドローンのような遊泳体に対して、本リブレットが有効であることを示唆し、今後の応用が期待できる。
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