研究課題/領域番号 |
20K04294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
板野 智昭 関西大学, システム理工学部, 教授 (30335187)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 球面クエット流 / 数値計算 / 可視化 / 球面クエット流れ / 乱流遷移 / 数理モデル / 実験流体力学 |
研究開始時の研究の概要 |
球面クエット流は天体に偏在する流れであるが、複合的な不安定性因子を持つため乱流遷移に不明な点が多く残されている。本研究では、数値流体力学と実験流体力学の両面から相補的に、球面クエット流の乱流遷移を再考し、臨界レイノルズ数を求め、相図を完成する。実験との定量的比較に基づき開発する予定の数値スキームには、(遠心力により生じうる真球からの歪み等の)境界に関する自由度を新たに導入し、境界が楕円体に拡張された場合の球面クエット流の相図も得る。分岐解析や乱流力学に基づき得られる本研究知見が、天体内で起きている剪断による乱流混合の推定に寄与する。
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研究成果の概要 |
先行研究を参照して実験装置を設計し組み立てた上で、装置全体が回転できるような拡張を施すとともに、装置下部に窓を開けそこから流れの観察が可能となるよう装置の改良も行った。フレークを注入し流れの可視化を行うことにより、軸対称流れとそこから遷移で現れるスパイラル状態を観察できるようにした。高精度トルクメーターを購入し、レイノルズ数とトルクの関係から遷移レイノルズ数を特定し、過去の研究成果との比較を行った。また、ナビエ=ストークス方程式に基づき、二重球面間の粘性流体の流れのシミュレーションコードを、スペクトル法をベースに開発した。計算結果と実験を比較することで、相補的に各々の妥当性を定量的に検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
極と赤道付近で発生源が異なる不安定性が競合し、半径比に依存して不安定化因子の優越が変化し複雑な遷移を示すクエット流に対して、遷移レイノルズ数を理論的にも実験的にも検証することができた。先行研究において古典的な流れの可視化により遷移が同定できていいた謎が、流れの中を並進・回転するフレークを運動を数値的に解析することで明らかになった。また熱的因子が加わった場合、スパイラル状態が球殻内熱対流に連続的に接続することが数値計算から明らかになった。
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