研究課題/領域番号 |
20K04297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
高田 尚樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 上級主任研究員 (60357358)
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研究分担者 |
茂木 克雄 東京電機大学, 工学部, 教授 (20610950)
高木 知弘 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 教授 (50294260)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 混相流 / 数値流体力学 / マイクロフルイディクス / 液滴 / 界面 / 濡れ性 / マルチフェーズフィールドモデル / 格子ボルツマン法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、生命・医療・化学工学等様々な分野における各種マイクロ流体デバイスの機能を高精度・高効率に評価可能とする、革新的な固気液混相計算法を開発する。手法には、複雑な材料組織の予測ミュレーションで多用されるマルチフェーズフィールドモデルを採用し、任意の数の相の取り扱い、滑らかな界面の形成、及び濡れ性の自発的な再現を可能とする。さらに、保存型Allen-Cahn方程式の導入により、従来のCahn-Hilliard方程式に比べて100倍以上高速な計算を達成する。本手法を用いたシミュレーションにより、微小な気泡・液滴・固体粒子を操作するデバイスの機能の評価と高度化に役立つ新たな知見が得られる。
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研究実績の概要 |
国内外の生命・医療・化学等様々な理工学分野では現在、気相・液相・固相が複数種類混在して動く混相流を微小空間で制御・利用する多種多様なマイクロ流体デバイスやプロセスの研究・開発が進められている。それらの機能評価と最適設計に不可欠な混相流現象の解明・予測には数値シミュレーションが有用であるが、従来手法では高精度・高効率な計算が難しい。この困難を克服するため、本研究では、3相以上の微小な固気液混相流の革新的計算手法の開発に取り組む。具体的には、マルチフェーズフィールドモデル(MPFM)を導入して混相界面を自律的に構築し、流体力学方程式と保存形Allen-Cahn(CAC)界面移流方程式の計算スキームとして格子ボルツマン法(LBM)を採用して簡易で高効率なシミュレーション実現を目指す。本年度は次の成果を得た。 (1)本計算手法で、3次元液液二相系の静止液中で外力を受けて固体表面上を動く液滴の体積が高精度に保存されることを確認した。 (2)液液二相系で固体表面に付着する液滴の3次元形状を求め、液滴の静的接触角に対する3次元凹凸表面構造の影響を調べた。シミュレーションの接触角は、Cassie-Baxterモデルの特性に一致するとともに、液滴実験の文献データと定性的に良く一致することを確認した。 (3)3次元構造を持つ固体表面上の液液二相系微小液滴挙動のシミュレーションで、矩形ピラー配列や並列溝構造が液滴に与える影響は実験の観察結果と定性的に一致した。 (4)CAC式に関して得た知見を基に従来のCahn-Hilliard(CH)式を修正して保存性が向上する計算コードを構築し、撥液性基板上の気液二相系マイクロ液滴挙動をシミュレーションし、マイクロ液滴レーザーの発振機構を解明するとともに、改良CH式ベースの計算手法もCAC式ベースの手法と同様にマイクロ液滴問題に適用可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通り、当該研究者らが提案した混相流体モデルに改良した計算スキームを導入することで本計算手法の体積保存性能が改善するとともに、固体表面に付着するマイクロ液滴の形状と挙動に対する表面の3次元微細構造の影響が実験と同様に表れることが確認された。以上により、多種多様なマイクロ流体デバイスや流体プロセスの機能評価と最適化に資する簡易且つ高精度な混相流シミュレーションの計算手法の開発はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
更なる研究推進のため、研究代表者・研究分担者らは協力して、これまでの成果を基礎にして、構築した固気液混相流モデルを改良するとともに、計算コードの開発、可視化実験による混相流計算法の検証・改良に取り組む。効果的に研究計画を遂行するため、当該研究者らで適宜メール連絡やリモート会議に加えて相互に研究現場を訪問して打ち合わせを行う。
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