研究課題/領域番号 |
20K04300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小原 拓 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40211833)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 熱物性 / 分子動力学 / 液体 / 熱伝導 / 分子熱流体 / 冷媒 / 熱媒 / 熱伝導率 |
研究開始時の研究の概要 |
液体の熱伝導率を決定している分子スケールのメカニズムを分子間・分子内の力学的エネルギーの伝搬に求め、これを分子動力学シミュレーションにより定量的に観測する独自の解析法を用いて、様々な液体中で生じている分子間・分子内エネルギー伝搬の大きさと発生密度(頻度)を網羅的に調べる。液体種として、比較的単純な分子によるものから複雑なもの、実用上重要なものにデータ蓄積を進める。液体分子の原子団構成と液体に発現する熱伝導率との間に機序を見出し、未知の物質の熱伝導率予測や所望の熱伝導率をもつ液体の分子設計を可能にするデータ基盤を確立する。
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研究成果の概要 |
液体の熱伝導率を支配する分子スケールのメカニズムを分子間・分子内の力学的エネルギーの伝搬に求め、このエネルギー伝搬を分子動力学シミュレーションにより定量的に観測する独自の解析法を用いて、様々な液体中の熱伝導を網羅的に調べた。液体種として、水、アンモニア、フルオロカーボンなど工業的に重要な熱媒・冷媒から、エリスリトールなど今後PCM(相変化物質)として重要となるソフトマターまでを対象とした。液体分子を構成する原子団が熱エネルギー伝搬に成す寄与が明らかとなり、未知の物質の熱伝導率予測や所望の熱伝導率をもつ液体の分子設計を可能にする基盤を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
液体・ソフトマターの熱伝導率は、熱交換器や冷凍機など熱機器の性能を決定するだけでなく、最近では固体部材の接合界面に適用して熱的コンタクトを向上させる熱界面材料においても重要である。今後は、高圧・高温など実測が困難な条件における熱伝導率の予測や、所望の特性をもつ熱媒の設計などが重要となる。精緻な物理理論が確立されている固体や気体とは異なり、液体の熱物性を記述する理論は存在しない。本研究は、液体・ソフトマターの熱伝導率を支配する分子内・分子間のエネルギー伝搬を詳細に調べてその構成原子団の特性を明らかにするもので、分子熱工学の手法による熱物性研究の先駆けを成すものである。
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