研究課題/領域番号 |
20K04305
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
多田 幸生 金沢大学, 機械工学系, 教授 (20179708)
|
研究分担者 |
大西 元 金沢大学, 機械工学系, 助教 (80334762)
春木 将司 金沢大学, 機械工学系, 教授 (90432682)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 凍結 / 解凍 / 高周波超音波 / 交番磁場 / 過冷却 / 食品 / 氷晶形成 |
研究開始時の研究の概要 |
食品の凍結過程では細胞内外の氷晶成長や細胞の脱水などのミクロ挙動が生じ,これが解凍後の品質低下の原因となる.そこで本研究では,高周波超音波と交番磁場を併用して細胞内外の氷晶形成を制御し,食味を劣化させない高品質冷凍・解凍技術の開発を目的とする.具体的には, 1.高周波超音波と交番磁場が生体組織内の過冷却と氷晶成長に及ぼす効果の解明 2.高周波超音波と交番磁場を受ける食品組織体の凍結・解凍モデルの構築 3.食品組織体を供試した凍結・解凍実証実験 を行い,食品全域を微細氷晶の状態で凍結させる方式を開発する.また,各種の食品に対する最適操作条件を求め,実用的な高品質凍結・解凍技術を確立する.
|
研究成果の概要 |
高周波超音波と交番磁場を利用した過冷却の促進とそれを利用した食品の高品質冷凍技術の開発を目的に,超音波振動と交番磁場が水および組織体の凍結・解凍に及ぼす影響を実験的に追究した.その結果,音波吸収に伴う発熱作用を利用した組織体内の温度制御により,組織体全域を過冷却状態から急速凍結できることが実証された.また,音波吸収に伴う内部発熱効果を利用することで流水解凍を上回る均質・急速解凍が実現された.交番磁場の効果については過冷却度のばらつきが大きくなる傾向はみられたが明確な過冷却促進効果を確認するには至らなかった.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食品を安全かつ美味しく凍結保存する技術の確立が求められている.しかし,凍結・解凍の過程で細胞レベルのミクロ現象が生じ,これが各種の損傷を発生させ,解凍後,ドリップ(液汁)の発生や食感の低下などの品質劣化を招く.この問題に対処する有効な技術として,本研究課題では,高周波超音波を利用して組織体内部の温度を制御する方法を提案し,組織全域を過冷却状態から急速凍結できることを操作条件と関連づけて明らかにした.また,高周波超音波を利用した急速解凍が可能であることが示された.これらの研究成果は食品の品質を劣化させない効果的な凍結技術の開発につながると考えられる.
|