研究課題/領域番号 |
20K04310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上松 天 大阪大学, 大学院工学研究科, 招へい研究員 (10867774)
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研究分担者 |
西橋 勉 大阪大学, 大学院工学研究科, 招へい研究員 (00517469)
木村 正 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90240845)
瀧内 剛 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (40733358)
佐治 史惠 大阪大学, 医学部附属病院, 技術職員 (40600987)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 凍結乾燥 / 氷晶径 / 細胞 / 精子 / 凍結乾燥保存 |
研究開始時の研究の概要 |
凍結乾燥は食品や製剤に利用されているが、成分劣化など未だ課題は多い。特に生細胞の凍結乾燥保存は実現しておらず、その一因は粗大な氷晶が細胞を損傷することにある。本研究では、真空中に液滴を噴霧し凍結乾燥させる「微噴凍結乾燥技術」に輻射瞬間乾燥を付加し、氷晶形成を制御する新規凍結乾燥法を提案する。この方法は従来よりも細胞の損傷を抑制すると考えられ、未だ例のない運動能が維持されたヒト精子の凍結乾燥保存へ応用する。実用化すれば保存コストの削減や輸送の簡便化に繋がり、天災・人災による精子滅失のリスクも減少する。研究目的は、氷晶を微細に制御する微噴凍結乾燥条件の提示およびそれによる精子凍結乾燥の実証である。
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研究成果の概要 |
本研究では、液滴を真空中に導入して蒸発熱により瞬時に凍結させ、その後昇華させるという微噴凍結乾燥技術を基盤とし、氷晶制御による凍結乾燥細胞の生存率向上を目的とした。検証細胞としてヒト精子およびマウス精子を用いた。 まず精子の噴霧条件を決定し、精子を含む凍結乾燥粉体の作製に成功した。しかし凍結乾燥後の精子は運動能を全て失っていた。精子の損傷原因の詳細な調査を行い、噴霧時にはノズル径によって多少の損傷が生じるのに対し、凍結時にはノズル径によらず精子が大きな損傷を受けて運動能を全て失うと判明した。精子には最適な冷却速度が存在し、本研究ではそれを達成できなかったと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
種の保存目的や生殖補助医療において、現在精子は液体窒素を用いて凍結保存されるが、保存コスト削減や輸送簡便化を期待して凍結乾燥保存も研究されてきた。しかし、現在ヒトを含む全ての動物種で、凍結乾燥後の精子を復水して運動性が回復した例は無い。もし精子の運動性が凍結乾燥後も維持されれば、顕微授精よりも低コストで自然選択が働く人工授精や体外受精が可能となる。本研究では精子の運動性を維持した凍結乾燥は未達成であったが、凍結乾燥における精子の損傷原因を詳細に調査したことは、精子に限らず生細胞の凍結乾燥後の生存率向上に向けた今後の研究発展に貢献する内容である。
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