研究課題/領域番号 |
20K04314
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
光武 雄一 佐賀大学, 海洋エネルギー研究所, 教授 (20253586)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非定常遷移沸騰伝熱 / 高温面のぬれ / ウエッティングフロント / 衝突噴流冷却 / 非定常熱伝導 / 遷移沸騰 / クエンチ / 衝突噴流 / 限界熱流束 / 非定常表面温度計測 / 非定常遷移沸騰 / 材料製造プロセス / 冷却温度制御 / ウェッティングフロント / 最大熱流束 / 高温面噴流冷却 / クエンチング |
研究開始時の研究の概要 |
焼き入れなどの金属材料の熱処理では,沸点を遥かに超える高温材料を水冷で温度履歴制御して優れた材料特性が作り込まれるが,650℃以下での温度制御が困難とされている.この温度域では,ms以下の非常に短い時間スケールで生じる固液接触とその直後の蒸気生成による乾き状態の繰り返しによる緩やかな冷却状態から,突然安定な安定な固液接触状態を回復してクエンチ(急冷)が生じるためである. 本研究では,高温面上で局所的に生じる不安定な固液接触伝熱と高温面全体のマクロな冷却過程の2つの異なる時間スケールの伝熱過程をモデル化し,実験によるモデル検証を実施することにより,予測困難な温度域での温度冷却予測の実現を目指す.
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研究成果の概要 |
高温面のサブクール衝突噴流非定常冷却の予測に不可欠な高温面上で共存する単相強制対流,核沸騰,および遷移沸騰領域の伝熱領域の境界位置を決定する方法を提案し,その妥当性を実験データによって確認した.非定常冷却中の伝熱に対して,既存の単相強制対流および核沸騰の伝熱相関式が適用できることを明らかにした.モデル化が難しい遷移沸騰伝熱に対して,ぬれ先端での1ms以下の時間スケールで生じる前進・後退変動を支配する擾乱波の周期に注目した固液接触熱伝導解析解で時間平均伝熱量を評価した.高温面の軸対称非定常熱伝導解析と高温面上で共存する各熱伝達伝熱との連成計算を行い,安定なぬれ面拡大の時間変化の予測結果を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遷移沸騰領域の伝熱過程は,不安定な固液接触に伴う固体側の非定常熱伝導と連成した非定常性の強い伝熱過程であり,一義的に熱伝達率あるいは熱流束を与えるのが困難であった.本研究では,高温面衝突噴流冷却時の安定なぬれ面の先端部のWetting Front(WF)と呼ばれる三相境界線の前進と後退が噴流界面の不安定波長周期に支配されるという観測結果に基づいた遷移沸騰熱流束の評価法を提案した.遷移沸騰領域の伝熱モデルを組み込んだ高温面の非定常熱伝導計算は,実験でのWFの時間挙動を非常によく再現できることを示した.本研究成果は,今後材料製造プロセスの冷却温度制御の精度向上への寄与が期待される.
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