研究課題/領域番号 |
20K04316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
中別府 修 明治大学, 理工学部, 専任教授 (50227873)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 熱伝達 / MEMS / 熱流束センサ / 移流推定 / 熱流束 / 移流 / 相関解析 / 非定常熱伝達 / 伝熱メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
エンジンやタービン,ボイラー等のエネルギー機器における流動・熱伝達の理解の深化と伝熱促進や抑制に資する情報を提供するため,プローブ型センサにより,壁面の熱伝達と近傍流動情報を得られる新たな計測手法を開発する。具体的には,隣接4~9点の微小温度センサを製作し,流動伝熱場の壁面温度を計測し,その情報から隣接複数点での壁面熱流束を算出する。複数点の熱流束情報からは,相関解析によって壁面近傍の移流速度を推定する。得られた移流速度,乱れ強さ,渦スケールは別途熱線流速計で測る流動情報と比較して検証を行う。
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研究実績の概要 |
本研究では,乱れを伴う流動伝熱場における瞬時局所熱流束を多点薄膜センサで計測し, 壁面近傍の移流速度を熱流束信号から抽出する技術を開発し,導出される移流速度の物理的意味と熱伝達の関係を明らかにする。この技術は,エネルギー機器内における流動・熱伝達特性を壁面側からプローブ型センサで計測可能とし,流動・熱伝達特性の理解の深化と伝熱促進や抑制技術に資する情報を提供するものである。 コロナ禍で計画通りに研究遂行ができていないが,今年度は,シリコン基板上に隣接4点センサをMEMS技術で製作し,熱流束を正しく計測するために必要なセンサ特性値の決定方法と隣接4点熱流束からの移流速度推定法の改善を行った。 表面温度と基板内部の温度計測データから非定常熱伝導解析で壁面熱流束を算出する際に,直流から数kHzまでの高周波数領域で正しく熱流束を計測するためには,薄膜センサ部特有の熱抵抗,基板内部の測温センサ周りの熱抵抗と遅れ時間を決定する必要がある。薄膜部の熱抵抗を自己発熱較正で決定し,内部測温点の熱抵抗と遅れの時定数をセンサ表面への加熱噴流による既知熱流束の付与と0.1~10Hz程度の低周波数光加熱に対する応答から決定する方法を開発した。 移流速度推定では,隣接4点センサを高温空気流にさらし,隣接4点熱流束計測を行い,熱流束の変動成分の相互相関解析より,6組の遅れ時間を求め,4組の壁面平行な移流速度ベクトルを算出し,4ベクトルの一貫性から不適切な結果を排除することで,移流推定の精度が改善されることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度はコロナ禍からの回復過程にあり,研究活動も徐々に戻りつつあったが,本研究では,MEMSセンサの製作に関してクリーンルーム設備の利用方法に依然として制限があり,予定通りの進捗ができない状況であった。具体的には,コロナ以前では,機器の利用時間は制限がない状況であったが,機器の利用が日中の8時間程度に制限されたため,センサ製作が進まない状況が続いた。 また,研究室内での活動に関しても,密を避けた運営を続けていたため,活動度が低下した状態で,研究進捗が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の延長を行っており,今後,計画した5点センサ,7点センサでの移流推定技術の開発と推定された移流速度と熱伝達の関係を調べる研究を実施する。 多点センサの製作,駆動はこれまでの3点センサ,4点センサのノウハウを利用し,駆動回路の増設で1年間で実施する見込みである。また,推定された移流速度と熱伝達の関係では,移流速度が推定されれば,熱流束,壁面温度,気流温度から相関をすぐに得られる見込みであり,従来の乱流熱伝達特性との比較を実施することで,その評価を行う。
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