研究課題/領域番号 |
20K04317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
石田 秀士 摂南大学, 理工学部, 准教授 (80283737)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 最適化 / 相空間 / Banach空間 / 摂動論 / 非反復 / 適合条件 / 漸近安定 / 線形安定 / フロケ理論 / 常微分方程式系 / 大域的 |
研究開始時の研究の概要 |
ダンパを導入するなどして無振動では静止状態が実現するか,適切な周期的振動を加えることで安定して周期状態が生じている工学的対象物は数多く存在する.しかしながら振動の(空間)分布やパラメータの分布といった場の最適化は,方程式の複雑性に阻まれて事実上不可能か,多大な計算時間を要する.そこで本研究では"常微分方程式系に対する摂動論"という数学的手法により,初期情報に依存しない真に最適な分布を繰り返し計算を伴うことなく一回の数値計算で求める革新的手法を提案している.本研究ではこの手法を流体に適用して検証するが,理論はより一般的な常微分方程式系の上で構築しているので,原理的にあらゆる対象に適用可能である.
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研究実績の概要 |
今年度は昨年度の検討を踏まえ,主として本研究の数学的側面について集中的に検討した.その結果,適切にBanach部分空間を構成すると,これは前年度までに扱った相空間と同相となり,最適化に用いられる直接法と随伴法という二つの手法がこの空間上で統一的に扱えることを明らかにした.この定式化は非常に広範な偏微分方程式系や常微分方程式系に適用可能であるので,極めて応用範囲が広いと期待できる.
一方で,本研究では大域的非反復の最適化手法の提案を行うことを当初目的としていたが,これが可能である最適化問題は限定されることも明らかとなった.しかし本研究で開発した手法を用いると,最適化に必要な評価関数の感度を可能な限り計算量が少なくなるようにでき,なおかつそれを一般的に見通しよく行えることも明らかになった.この計算量削減効果は拡張された力学的方程式系が安定定常解を有する時に顕著である.
さらに,本研究に並行して行なった強制振動熱対流の応答の数値的検討の中で,場の応答のほとんどが振幅の2次までの非線形性で定量的に表現可能であることが明らかとなった.これは摂動論の2次近似が有効であることを示しており,このような近似を用いた計算量削減効果については,すでに大域的非反復最適化の例としてIshida, IharaらがNumer. Heat Transfer誌に2019年に発表しているが,この近似の適用範囲をさらに積極的に広げれば,最適化計算において非反復化も含めたさらなる計算量削減が期待できる.今後の課題である.
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