研究課題/領域番号 |
20K04319
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
島崎 毅 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (90357202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 分散ジュール・トムソン効果 / 対向流熱交換器 / 圧力損失 / 機械式冷凍機 / JT効果 / Joule Thomson effect / ヘリウム / 水素 / キャピラリー配管 / 極低温冷凍機 / ヘリウム4 / ヘリウム3 / 分散ジュール・トムソン(JT)効果 |
研究開始時の研究の概要 |
ジュール・トムソン(JT)効果は、流れに対して抵抗になるものを通して気体を断熱的に自由膨張させた際に気体の温度が変化する現象である。通常、JT冷凍機では絞り弁や細孔などいわば“点”で起こるJT効果を冷却に利用している。近年比較的長い流路内で熱交換をしながら起こる分散JT効果が注目されている。分散JT効果を適切に利用することでJT冷凍機の効率や信頼性を向上させられる可能性が指摘されている。本研究では、実験と解析により分散JT効果の解明とそれを応用した熱交換器の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、ジュール・トムソン(JT)冷凍機の冷却特性と動作安定性を向上させるために、分散JT効果の特性把握と、その特性を利用した対向流熱交換器を開発することである。分散JT効果とは、長尺の配管内流れで発生する連続的な圧力損失に起因するJT効果である。 “点”で起こるJT効果に比して一般的ではないが、条件によりJT冷凍機の特性を向上させる可能性が指摘されている。高温側流路のインピーダンスを高めた対向流熱交換器を試作しヘリウム4を動作流体に使用し10 K程度で特性を評価した。JT弁と熱交換器の両方の機能を兼ね備えた対向流熱交換器として機能することを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長尺細管で生じる圧力損失に起因する分散JT効果を利用した対向流熱交換器は、JT冷凍機で問題になることの多い配管閉塞の懸念を低減し、また冷却特性を向上させる選択肢になり得る。JT冷凍機は、その冷却原理と構造から他の原理に基づく冷凍機に比較して小型化が可能で振動が少なくまた、寒冷発生部を冷凍機の本体から遠方に設置することもできるといった特徴を持つ。高感度センサーや電子デバイスの冷却や、液化機などで広く利用されている。今後は極低温技術の活用が急速に進むエネルギー分野での普及も期待されるので、JT冷凍機の動作安定性と特性の向上は意義が大きい。
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