研究課題/領域番号 |
20K04322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
西野 耕一 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (90192690)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 対流 / 表面張力流 / 液膜 / 数値解析 / 次元解析 / レーザ加熱 / 能動制御 / 混合 / 表面張力 / 制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、シリコーンオイルの薄液膜を対象として、気液界面の局所温度を走査型レーザ照射によって制御することによって、薄液膜に発生する温度差駆動の表面張力流を操作し、液膜内の対流と混合を能動制御する方法論を構築する。 能動制御の実現性を実験的に示すだけでなく、現象の定式化とモデル化を経て、数値解析することも本研究の目的である。 そのような能動制御が実現すると、薄液膜に多数の局所対流と混合を同時に生起させることが可能となり、新しい工学的応用の道が開かれる。また、マイクロスケールにおける表面張力流を制御する方法論が構築され、幅広い工学分野の利用が期待される。
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研究成果の概要 |
炭酸ガスレーザを用いたスポット加熱によって、薄液膜の表面張力をマニュピレーションし、温度差表面張力流を制御することを目指した基礎研究を実施した。研究成果は次の通りである。(1)2次元トラバーサを用いたスポット加熱装置を構築し、静的加熱および直線走査型の動的加熱について、レーザ出力、液膜厚さ、動粘性係数、走査速度を変化させ、系統的な実験データを取得した。(2)数値解析手法を構築し、実験データとの比較を通して、静的スポット加熱の解析結果を検証した。(3)スポット加熱で生じる表面流速分布に第1ピークと第2ピークが生じることを明らかにし、次元解析によって、現象を無次元数で記述することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
表面張力流は、液膜、液滴、気泡、液柱など、代表寸法が小さい気液界面の対流を支配する。本研究では、温度差駆動の表面張力流をCO2レーザの静的/動的スポット加熱によって操作することによって、小スケール界面における対流を能動制御する方法論を研究した。レーザ出力、液膜厚さ、動粘性係数、走査速度を変化させて取得した実験データの蓄積とともに、数値解析の方法も考案し、検証した。得られた研究成果から、薄液膜に局所対流を自在に生起・制御することが可能となり、薄液膜を対象とした新しい応用技術であるマイクロ流体制御、マイクロ物体搬送、局所混合制御、結晶成長制御など、幅広い工学分野での利用が期待できる。
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