研究課題/領域番号 |
20K04326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤本 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (40229050)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 沸騰伝熱 / 移動体冷却 / スプレー冷却 / 逆解析 / 赤外線サーモグラフィー / 沸騰 |
研究開始時の研究の概要 |
連続かつ大量生産される鉄鋼材料の製造プロセスの一つに,移動する高温材料を水スプレーなどで冷却・強化する「熱処理」がある.高品質材の製造では,あらかじめ決定された材料温度履歴を正確に再現することが求められ,「サイエンス」に基づいた熱制御技術の構築が強く望まれている.本研究では,スプレー冷却の基本要素である,「加熱移動固体面と液滴の衝突」における冷却特性を基礎実験により深く理解することを目的としている.そのために,冷媒が接触した加熱固体面の温度変化履歴から伝熱量を算出する逆解析手法を開発する.
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研究成果の概要 |
鉄鋼材料の冷媒冷却による熱処理では,あらかじめ決められた材料温度履歴を正確に再現することが求められており,冷却現象の物理の解明が望まれている.本研究では,スプレー冷却の基本要素である,「加熱移動固体面と液滴列の衝突」における液体冷媒の沸騰流動を精密観察する実験手法を構築し,学術的に未解明な遷移沸騰や膜沸騰領域の素過程を基礎実験により研究した.また,冷却直後の固体表面温度の復熱過程から伝熱量を算出する新しい評価手法を構築し,その手法の有用性を検証した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した伝熱評価手法は,冷却に寄与しない冷媒を伝熱面から除去することで冷却直後の復熱現象を測定し,その熱伝導解析により強冷却領域の伝熱量を求める点に学術的な独創性がある.この手法は冷媒の除去が容易な遷移沸騰や膜沸騰領域でのみ適用可能であるが,原理的に固体内部の温度から計算する従来法よりも高分解能かつ高精度な計測が可能である.また,この手法は学術的に未解明な遷移沸騰の物理現象の解明に有用であるだけでなく,実操業の熱処理技術の高度化にも貢献できる.
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