研究課題/領域番号 |
20K04332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
宮本 泰行 富山県立大学, 工学部, 准教授 (80348820)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 状態方程式 / 有機系水素キャリア / PρT性質 / 高精度測定 / プロセスシミュレーション / 熱物性測定 / 水素キャリア / 熱物性計測 / 熱力学性質 / Helmholtz関数型状態方程式 / フローシート計算 |
研究開始時の研究の概要 |
水素キャリアとして有力な候補である多数の有機化合物から,最適な物質選定を可能にするため,新たな測定により熱力学諸性質実測値を拡充し,純物質および混合系のHelmholtz関数型状態方程式の開発を行う.さらにプロセスモデルを作成し,開発した式を用いた水素化・脱水素化プロセスのフローシート解析を可能にする. 各候補物質の熱収支への感度計算は,実プラントの反応温度・圧力や反応器および蒸留塔の条件などの反応に関係する因子を振ることで行う.このようにしてプロセスの最適設計と,最適物質の提案までを行う.
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研究成果の概要 |
有機系水素キャリアの候補物質について,未解明の熱力学諸性質を広い温度・圧力範囲で実測し,高精度なHelmholtz関数型状態方程式を開発した.現時点で式はほぼ完成し,アメリカ合衆国商務省・NISTで開発されている熱物性計算ソフト REFPROPの次期標準モデルとしての採用が内定している. 一方で,プロセスシミュレータを用いて,メチルシクロヘキサン,シスデカリン,およびビシクロヘキシルなどの水素化プロセスのフローシートを完成させるとともに,プロセスの更なる最適化や,熱および仕事の需要量についての感度解析を,実施した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蒸気発電などの大型のエネルギー変換プロセスの設計には,Helmholtz関数型状態方程式の開発が不可欠である.高精度な実測値を拡充し,多くの有機系水素キャリアに関する,世界最高精度のHelmholtz関数型状態方程式を,国際協力体制で開発した.さらにREFPROPへの実装が内定し,水素や水などとの混合系に関する熱物性の推算が容易になった点が,学術的意義である. 研究成果の社会的意義は,上記の熱物性を活用し,様々な有機系水素キャリアの反応プロセスのフローシート計算および感度解析が可能となったことで,有機系水素キャリアの選択肢の拡充および水素輸送技術の開発が,大いに促進され得る点である.
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