研究課題/領域番号 |
20K04338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
赤坂 亮 九州産業大学, 理工学部, 教授 (60369121)
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研究分担者 |
粥川 洋平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (50371034)
東 之弘 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 教授 (90183095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 状態方程式 / 水素結合 / 飽和蒸気圧 / 密度 / 冷媒 / 地球温暖化 |
研究開始時の研究の概要 |
初年度(R02年度)は,2名の研究分担者(東,粥川)および1名の研究協力者(McLinden)に飽和蒸気圧,密度および音速の精密測定を依頼するとともに,文献検索等により既存データを収集・評価し,それらのデータを用いた状態方程式の最適化を行う. 2年目は,一般化水素結合モデルの原型を作成し,このモデルのパラメータを初年度に得られた実測値を用いて最適化する. 最終年度は状態方程式と一般化水素結合と組み合わせ全体の最適化を行うとともに,熱物性データベースへの組み込みや論文発表等を行う.
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研究成果の概要 |
強会合性流体の実用状態方程式の開発効率を飛躍的に向上させる「一般化水素結合モデル」を開発した.冷媒,アンモニア,アルコール等は水素結合による強い会合性のため,画一的な手法で短期間に状態方程式を開発することが困難であった.本研究課題では,分子間力における水素結合の寄与をヘルムホルツ自由エネルギーで表現し,そのパラメータ群を臨界点,飽和蒸気圧,液密度,ガス音速等の精密な実測値によって最適化した.このモデルは巨視的観点から開発されており,さまざまな流体への適用が可能である.実際に,5種類の低GWP冷媒の実用状態方程式を開発し,そのうち2種類はISO 17584の国際標準式に指定された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般化水素結合モデルは分子構造による違いを意識すること無く,精密測定が可能な熱物性値と巨視的な熱力学的状態曲面の妥当性に基づいた最適化手法によって状態方程式の開発を可能にする.このような手法は過去の状態方程式開発には無かった新たな視点であり,その独創性や学術的意義は大きい.また,実際に一般化水素結合モデルを用いて開発された低GWP冷媒の実用状態方程式は,次世代の冷凍空調機器開発の基盤情報としてすでに多方面で利用されており,一部は国際標準式に認定されている.したがって,地球温暖化抑制に対して本研究課題の研究成果が果たした社会的意義も大きいと言える.
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