研究課題/領域番号 |
20K04339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小清水 孝夫 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科, 准教授 (00390534)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 熱・音波エネルギー変換 / 蓄熱器 / 発振継続 / 可視化 / 蒸気発生 / 音波発生 / 熱交換器 / 熱音響現象 / 廃熱回収 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,現在深刻となっているエネルギー問題を解決するために,エネルギー変換効率が非常に高い熱・音波エネルギー変換技術を提案する.この技術は廃熱を発電や冷却に利用し易い音波に変換する技術であり,このシステムが実用化されれば,現在,未利用廃熱として地球上に捨てられている莫大な量の低温廃熱を有効利用することができる.このエネルギー回収率を飛躍的に上げるためには,現状よりもさらに低温度の廃熱の有効利用が求められる.蒸気による気液相変化を利用することで大幅な低温度化が実現できる可能性があるため,蒸気を使用した熱・音波エネルギー変換技術により,超低温度の100℃以下の廃熱回収システムを提案する.
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研究実績の概要 |
令和5年度は,前年度から継続して進めている可視化実験に特化した実験装置を使い,蓄熱器内の可視化実験をさらに進めることができた.前年度までの実験において,通常のガスを作動流体とした場合と同様にハニカムセラミックスが蒸気を作動流体とした場合においても最適な蓄熱器となることがわかったが,ハニカムセラミックスは周囲が囲まれた多孔質体であることから,その内部の様子を可視化することが不可能なため,球体を積層したものに変更し,最初にこの球体の最適材質に関する調査を実施した.その結果,金属よりもプラスチックの方が発振が継続することが確認されたため,プラスチック球を積層したものを可視化実験の際の蓄熱器として決定した.また,球の直径が大きくなるほど伝熱面積が小さくなり発振継続ができなくなることと小さくなりすぎるとマイクロスコープで撮影することが難しくなるため,可視化に適したサイズとして直径約6mmの球を選定した.さらに,発振の継続時間に対する積層厚さの影響を調査した結果,約30㎜の積層厚さの時に発振継続時間が最も長くなったため,最適積層厚さを30㎜とした. 上記の最適化を行った後に,可視化実験を実施し,蓄熱器上部,中間部,下部など複数の場所における凝縮の様子を観察することができた.また,前年度よりも鮮明に撮影をすることができたが,場所による凝縮現象の違いや液滴の挙動の違いまでは明確にすることができなかった. 上記の最適化により発振継続時間は長くなったものの,音波に対する蒸気発生量の影響についての調査を行った際の装置と比較すると,大幅に発振継続時間は短くなっている.そのため,より長い発振継続時間を実現できる装置の改良が必要であると考えている.また,音波に対する蒸気発生量の影響についての調査においても,発振が停止する熱量の条件があったため,その条件を調べ,発振停止に至ることがないように対策をした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度から継続して実施している蓄熱器内の可視化実験に多くの問題が発生しており,それを解決するための対策に大幅な時間を要し,研究全体にやや遅れを生じている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,前年度から継続して進めている蓄熱器内の可視化実験を継続して進める予定である.少しずつではあるが鮮明な画像を撮影できており,さらに,蓄熱器の様々な場所での撮影もできているが,より長い発振継続時間において可視化を実施することが必要であると思われるため,蓄熱器の温度勾配をしっかりと維持することができる熱交換器の設置を予定している.この改良を行い,再度,可視化実験を進め,場所による凝縮現象の違いや液滴の挙動の違いを明確にしたいと考えている.
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