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数値シミュレーションによる皮膚の角質剥離の諸現象の究明

研究課題

研究課題/領域番号 20K04352
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
研究機関九州工業大学

研究代表者

永山 勝也  九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (70363398)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード角質剥離 / ループ計算 / 恒常性 / ひび割れ / 数値シミュレーション / 皮膚 / 剥離
研究開始時の研究の概要

皮膚の形成の数理モデルを構築し、数値シミュレーションにより、コンピューター上で数値実験を行い、表皮形成の再現を行っている。本研究では特に表皮のバリア機能に大きく影響する角質の様々な剥離現象を計算により究明する。
本法では、細胞を計算粒子とし、形状や物性の変化とその相互作用も考慮した上で、皮膚の複雑な現象を扱える独自の粒子モデルを用い、これに角質の詳細なモデルを組み込んで実施する。
先ずは、蒸発量と角質剥離と厚みのループ計算(連成解析)により、角質の恒常性を研究する。更に角質のひび割れの力学モデルを構築し、水分蒸発や、角質剥離への影響を究明する。

研究実績の概要

皮膚の形成の数理モデルを構築し、数値シミュレーションにより、コンピューター上で数値実験を行い、表皮形成の再現を行っている。本研究では特に表皮のバリア機能に大きく影響する角質の様々な剥離現象を計算により究明する。
Phase 1<角質変化のループ(連成)計算を行い、角質厚み変化のパターンを究明する>人体には恒常性という様々な調節機能があり、皮膚にも調節機能がありそれを計算で再現する。具体的には、乾燥⇒角質厚み増加⇒蒸発量減少⇒湿潤⇒角質厚み減少⇒蒸発量増大⇒乾燥というループを繰り返していると考えられる。乾燥すると角質の厚みが増すのは、分解酵素の拡散が抑制され、接着斑が減りにくく、剥離しにくくなるためでそれを正確にモデルに組み込んで計算を実施した。その結果、①蒸散係数が低いと角質の厚みがほぼ一定に保たれ、②蒸散係数を低くすると角質厚みに小変動が現れ、③蒸散係数が極端に低いと角質は塊となって剥離するという、予測通りの現象を確認した。
Phase Ⅱ < 角質の微細ひび割れモデルを導入し、水分ロス増に伴う角質変化を表現する><2022年 微細ひび割れの発生(横方向のつながりの切断)を力学的に考慮した解析>表皮の表面が乾燥すると水分が減少し表面は収縮する。収縮により表面にひび割れが生じる。この現象の力学モデルを構築し、角質のみの計算でひび割れ現象を確認できた。<2023年 角質のみでなく表皮全体でのひび割れ計算>角質の下の組織も含めた計算では、ひび割れが起きにくくなる結果を得た。下部組織は水分が多いためにひび割れしにくく、表面の角質のみがひび割れたと考えられる。今後は蒸散係数の位置的な分布も考慮したモデル化を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Phase1の角質厚みの恒常性の計算は、予定通り完了して、学会発表や論文化を進めている。
PhaseIIのひび割れ計算では、角質単独と、下部組織まで含んだひび割れまで確認できた。
2024年度は、微細ひび割れからの水分ロスを考慮したループ(連成)解析に予定通り取り組む。

今後の研究の推進方策

微細ひび割れは、角質表面の凹凸を生じさせるだけでなく、ひび割れた裂け目から水分蒸発が促進され、角質の表面状態は更に変化することになる。そのためには角質厚みや蒸散係数やに位置による分布を加味する必要がある。そこで2024年は予定通り、微細ひび割れからの水分ロスを考慮したループ(連成)解析に取り組む。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Particle Simulation of Skin Formation: Relationship Between Skin Homeostasis and Bound Water2024

    • 著者名/発表者名
      Katsuya Nagayama, Shu Oba
    • 雑誌名

      International Journal of Advances in Science, Engineering and Technology(IJASEAT)

      巻: Volume-12,Issue-1 ページ: 47-50

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Numerical Simulation of Skin Formation: Epidermal Stem Cells and Undulation of the Basal Layer2020

    • 著者名/発表者名
      Shu Ooba and Katsuya Nagayama
    • 雑誌名

      IOP Conference Series: Materials Science and Engineering

      巻: 886

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 皮膚形成の数値シミュレーション-皮膚の水分量と相対湿度や閉塞性との関係-2023

    • 著者名/発表者名
      立石涼, 坂元亮太, 永山勝也
    • 学会等名
      生体医工学シンポジウム2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 皮膚形成の数値シミュレーション-皮膚の恒常性と結合水との関係-2022

    • 著者名/発表者名
      坂元亮太、大庭彫,、永山勝也
    • 学会等名
      日本機械学会 第34回バイオエンジニアリング講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 皮膚ひび割れの数値シミュレーション-表皮亀裂の力学モデルの構築-2021

    • 著者名/発表者名
      福田裕隆,永山勝也
    • 学会等名
      日本機械学会年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 皮膚形成の数値シミュレーション~自由水と 皮膚の恒常性の関係~2021

    • 著者名/発表者名
      坂元亮太、永山勝也
    • 学会等名
      日本機械学会 九州支部 第53回学生員卒業研究発表講演会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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