研究課題/領域番号 |
20K04355
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
鳥澤 眞介 近畿大学, 農学部, 講師 (80399097)
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研究分担者 |
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 教授 (50216933)
高木 力 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (80319657)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | バイオメカニクス / 魚群行動 / PTV(流体可視化計測)解析 / CFD(数値流体力学)解析 / エネルギーコスト |
研究開始時の研究の概要 |
魚群全体の移動エネルギーを定量化し,個体で移動するよりはるかに移動コストが低減できることを明かにする。また魚群規模や群構成個体の空間的位置で異なり,尾鰭から吐出される渦の形成機構に依存し,種や成長ステージによって異なるなど魚類が群として移動する意義を独自性の高い観点から明かにする。群形成による移動エネルギー利得,遊泳時移動コスト,移動速度と移動距離の利得が単一個体よりどの程度有利となり,魚群の規模によりどのような差がでるのか明らかにする。本研究では,これを足掛かりに種ごとに魚群の移動の適値と限界,群規模の極限や最適値,群の立体構造の必然性や最適性について,物理的側面の説明と解釈を可能とする。
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研究成果の概要 |
魚類が群れを形成する物理的意味の解明のため,群形成時の移動エネルギーコストの利得が単一個体よりどの程度アドバンテージとなるか明らかにした。PTV(流体可視化計測)実験ではマアジを対象として3尾で群泳する場合,またCFD(数値流体力学)解析実験ではビワマスを対象として魚体の遊泳運動から遊泳運動関数を算定後,3個体の魚体モデルに遊泳運動を与えて群泳を再現し,CFD解析で魚体モデルに作用する圧力と分布を算出して流体力学的効果を求めた。個体間距離を全長の0.4倍から2.0倍まで変化させた様々な配置で群泳させた結果,単体の場合と推進効率が変わらない配置と効率が10%程度向上する配置があることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球規模での漁業資源水準の低下を背景に,賢く獲る漁業技術の開発が求められているが,生産手段の最適化は対象生物(魚類)の行動特性を理解せずには実現できない。従って,魚類の群行動についての基本的理解とその研究は不可欠である。 本研究では,魚類が群れを形成する意味を物理的側面からアプローチし,その本質的意義の解明を目指す。背景となる力学的論理基盤から群を形成したことによる移動エネルギーコストの利得が単一個体よりどの程度アドバンテージとなり,魚群の配置によりどのような差がでてくるのかを明らかにする。これをベースに,種の違いにより魚群の移動距離,移動速度と移動エネルギーコストの適値と限界が明らかになる。
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